第110話遇するのには

 気分次第で変わる文調、文体でごめんなさい。

 こう、いい気分のときにはね、なんでも愛しく見えるのよ。


 今日はクリスマス、年末に向けて買い物ラストスパートかけました。

 クリスマスに空けるお茶「カシュカシュ」缶入りを買って、ハーブ店ではローズヒップのはちみつ漬けを買って。

 それから本と漫画を買ってね。

 総合商業施設から出る途中でバスケットに入ったポインセチアも買って、部屋の南側に飾ってある。

 パーフェクトに近い一日。でも朝食と昼食が早かったせいで、お腹が心もとない。

 大好きなスパイシーブレッドをドンクで買ってもらった。


 そして家に帰ったら、アマゾンからの商品が山と届いてて、母をびっくりさせちゃったv


 それにつけてもお腹が空くのよ。

 さっそくローズヒップのはちみつ漬けをあけて、小さいフォークですくって食べる。うーん、味はあんずのようだけど、コリコリしたものが歯にあたる。これがローズヒップね。わたくしはハーブがそのままの形でゴロっと入ってるかと思ってた。でもおいしい。

 母が、味見をしたいというから、「乾いたスプーンを持ってきて」といい、大目にすくう。母はわたくしが思う以上に欲しがる人だ。ん、今日は満足したようだぞ。

 そして祖母にもわけた。

「上品な甘さね」

 というので、「食べ方は上品でもないけれどね」と再びフォークを瓶に突っ込んだ。


 こうやって一つのものをみんなで分け合うのは楽しい。久しぶりでもあったし。


 夕食後、祖母が「鶴瓶の家族に乾杯」を見て、「なだそうそう」の歌が流れてきたと思ったら、調子っぱずれの鼻歌が聞こえてきた。祖母だった。

 よほどごきげんか「なだそうそう」が琴線にひっかかったんだろう。


 もし――いまあるものが消えてなくなってしまったら、と考 えるのはわたくしの悪い癖だが――もし。

 夕暮れの台所から祖母の調子っぱずれの鼻歌がきこえなくなったら、寂しいと思うのだ。


 今、わたくしはお金が欲しい。今わたくしが望むものはほとんどお金で手に入る。

 好きな暮らし、好きな買い物、創作活動の環境。

 それ以外なら割とそろってると思うのだ。


 長生きのおばあちゃん、元気な老母、好きなことをやってる父、正月に押しかけてくる予定の親類縁者。

 じつはそれらの人々を遇するために、多少のお金が欲しい。

 今年こそはポチ袋を買って、甥、姪にお年玉をはずまなければならないし、お参りにもおさい銭が必要。


 あーあ、いままでそんなに意識したことなかったんで、汚れたなアと思う(笑)

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