第104話頭がイイ=ちょっと煙たい
上のような図式があるのではないかと思う。
最初にいた大学は、国際大学で、あんまり成績の良くないボンボンや令嬢のあつまるところだった。そして、頭のいい人ほど早くやめてしまうと聞いた。
同期の子たちの考え方がよくわからなかった。
そりゃあ「全国5位」の体操選手が音楽を耳でコピーしてピアノを弾くのは凄いと思うよ。平均偏差値が80越える高校の女子が外国の大学でファッションモデルをしてたらかっこいいと思う。(ピンキリと言っていたがそこもかっこよかった)演劇部の部長で、次々と男の先輩に取り入ってしまう、自称被虐待児童の女子もいたわしかった。勉強そっちのけで部屋でギターを鳴らして作詞作曲しちゃう男子もそれはそれで充実してそうだったし(歌がうまかったし)。プレスリーに憧れて毎日リーゼントとサンダルを合わせる素敵な先輩もいた。みんなエンターテイナーの道まっしぐらなのである。
しかしわたくしには「なんでもトライしてきた」というやぶれかぶれな自負と、厳しい父親にスパルタで育てられたという意識しかない。お近づきにとカレーを作ってみたり、語りにつきあってみたりしたが、そこで気づいたのはなにをもって「頭がイイ」とするかなのであった。
わたくしの母は駅弁大学で奨学金をもらって教師になった。当然偏差値は平均70以上が最低限ある。母自身は言わないが、80越えていたのではないかと思う。で、「うちは母の方が高給取りで、熊本大学を奨学金もらって卒業したひとだよ」とこぼしたら、「頭いいじゃん!」と言われた。
そんなことを言われても、わたくし自身の株があがったわけでもないので黙っていた。
国立大学卒業に比べたら、わたくしなどはよくわからない大学の一年生なわけで、ここまできたら、成績関係ないだろ、と考えていた。高校の成績だけを見れば、わたくしなど、大学に入れただけでもうけもの、という感じで、まわりにいた友人たちもまあ、一浪はしてたな。そのほかは専門学校か看護学校へすんなりと。
今になって思うのだが、どうして彼女らはあんな厳しい職業につきたがったのだろうか? 看護師になって、医者とラブラブになりたいとか、そういう理由じゃあるまいな。
同窓会では「私も大学へ行って遊んでおけばよかった」と漏らす娘もいた。やはり現場は厳しいらしい。
わたくしはというと、大学を退学した後、専門学校へ行き、美大を通信制で卒業し、シナリオセンター(通信)で学び作家でごはんというサイトで投稿生活、野いちごで本をつくり、そして小説家になろうというサイトを知り、ツイッターのアカウントをとり(いまいち使い方がわからないが)カクヨムに至った。いろんな回り道をした。本人はまっすぐに必要なことだけを吸収したつもりでいたが、まだ十分ではない。勉強の仕方を教わっただけなのだ。だから、これからも続けようと思う。
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