第98話ちょっぴり気遣ってみる

 親子三代にわたり、同じ風邪をひいてしまった。

 同じ家に住んでいるのだから仕方がない。

 母は自力で治し、祖母とわたくしは医院のお世話になった。


 それがねー、治んないのよー(奥さん風)

 胃痛がするのに消炎剤飲んで、次の日まで胃が苦しかったり。変だなと思って、でも暇だったのが暇暇になったから、メールボックス開けたら、近況ノートにメッセージをくれた方があって。

「胃痛のときは消炎剤はいけません」

 って教えてくれた。


 ム……ムネン。飲んでしまった後だった……。


 今度から気をつけます(小学生か)


 で、ヨムに力を入れるほどには元気がなくて、キーボードに触るくらいならできる状態なので、現状を描いてみる。


 二階から祖母が観ているのであろうTVの音がする。あれは局によって特徴があり、ちょっと聞いただけでNHKだなとか、番組表が頭に浮かぶ。それくらいにはわたくしもTVは観ている。


 しかし、それに混じって祖母の「ぐがは! げへごほ!」という、すさまじい咳くしゃみ鼻水の音が聞こえてくるので、大丈夫かいなと思う。もう年なのに、と。


 キッチンのおやつボックスを覗いたら、チョコレートがあったので、グラム当たりのカロリー計算をして計ってから食べる。一口くらいだね。それで40キロカロリーくらい。ピーナッツ入り。栄養たっぷり~~……何の話だっけ?(あかん、意識がもうろうとしている)


 日ごろのコミュニケーションは大事なのだ、だからつらいときほど積極的に声をかける。

 まずは世間話から。

「テーブルの上のマスク(使用済み)は私の?」

 わたくしのである。昼食後にうっかり置き去りにしてしまった。

おばあちゃん「ぐがは! ぐしゅ、げへ!」

「あー、わかった。昨日からつけてたやつだから捨てるわ」

 なんと会話成立。


 お調子にのり、しかし気を遣うふりはしておいて。

「風邪のほう、どう?」

 と聞くと、返事が

「ああ、薬飲んどるけん」

 ……それはどういう答えなのか?

「そりゃあ、飲んでるでしょうね。おばあちゃんのことだから、こまめに……」

 だけど聞きたいのはそういうことでなくて。体、きつくないのとか。咳き込んでるのが部屋まで聞こえてくるんだけど大丈夫なのとか、そういうことを聞いている。


 いちいち説明してみる。

おばあちゃん「ぐげほ! がはがほ!」


 ……無益であった。


 体力があるはずの孫のわたくしが無気力背負ってるんだから、平気なはずがない。

 しょうもないが、それだけ了承した。お大事にしてください。わたくしは部屋で安静にしてます。


 そういう会話をした。

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