第96話やじうまする
2017年9月13日。日ごろ対応がまずいと思ってきた『横*銀行』で犯罪が起きた。
……らしい。
筆者は母にくっついて郵便局に寄ったついでにやじうましてきたのである。
夏の制服を着用した警官が銀行廻りをうろついている。シャッターのしまった窓口付近で制服の人だかり。
「現行犯だ」
中からやけにはっきりと聞こえたのを憶えている。
一人の水色半そでシャツに紺色のベストをつけた警官が、別にこみあっているでもない入り口で、
「ここを開けてください」
腕を広げて左右を見ている。
そのうち、一人だけ私服姿の男の人が、警官隊に囲まれて出てきた。ひょろっと背が高く、総白髪で眼鏡をかけており、袖の長い白地にモノトーンのチェックのネルシャツが浮いていた。察するに、普段はそんな服装はしないのだと思う。なにかしっくりこない。不自然な感じ。不潔ではなく、洗濯してあるのはわかる。そのせっけんくささが不似合いなのである。
え? まさかあの人が何かしたの? 少しおどろいた。
本当に何でもないそぶりで出てきた。ただし両腕は左わきの警官がホールドしてたし、右側は退路を塞いでおり、よく見ていたら、背後の警官が彼の腰あたりのベルトをつかんでいる。
へえ。犯人逮捕ってこんな風なの。
唖然として見ていると、シールドを片手に持った警官が音もなく駆けて行って、何事かあったのか、こんどは前面に立って通路を確保している。
はて、仲間がいると思っているのかな? それとも犯人が逃げ出すのを防ごうとしているのか……口封じに一発、なんて日本じゃありえないよね。
と、思っていたけれど。
用事を済ませた母がよってきて、
「あら、路肩にパトカーが止まっていたから何かあったのかと思っていたら……」
こういうではないか。
一緒に犯人が連れられて行くのを見上げていた。
母は忘れてしまったか、よく見ていなかったんだと思うけれど、犯人逮捕につき従ったのは五人以上の警官だ。
シールド持った一人が先導し、周囲を確認しつつゆっくりと(少し偉そう)すすむ一人、そのあとを三人の警官に先のとおり、両腕と腰のベルトをつかまれた犯人がのろのろと進んでいく。
憶えているのはそこまでだ。
そして、今度はALSOKのお仕事現場を見てしまった。
車の中で、用事を済ませてくると言った母を待っていたのだが、黒と白のセキュリティー会社のアルファベット文字が書かれたワゴン車に、なにやら青い布製バッグをとりこみ、同じバッグを代わりに渡すのを見た。銀行の裏手だったが、そこは駐車場でしかも道路側にむいていたので、様子は丸見えである。果たして防犯に適しているのか考え直すべきだとわたくしは思うが。
あのバッグ……厚さはさほどなかったが、重たそうにも見えた。何が入っていたのだろう。札束かと想像してたが、それ以上のものは考えにくい。金塊とかね。あんなにあっさり片手渡しなんてするはずないじゃあない?
いまどき150万おろそうとしただけで警察呼ぶのよ、銀行って。
場所は「城*信金」
別にやじうましたくてしたわけでもなく……なりゆきよ。
BOOK OFFではオタカラフィギュアがこちらにお尻を向けているのを見て、つい、中身を確認しちゃったわ。いや、これ誰でもするよね? 履いてたわ。つくりこんであるものね。履いてなかったらお下劣だけれども。かわいかった。くいこんでる感じがよく出てたわ。
ショーケースの中、アスカ・ラングレーが(赤毛っぽかったはずなのに)、金髪になって奥に鎮座してた。あの子は露出が少ない癖にポージングがセクシーよ。どういうこと? ストイックな感じを出したいなら、綾波レイと同じくらいキュッとしてないと。ぐいぐいくるタイプはヒロインというよりライバル系……あれ。
なんの話を……そうそう。わたくしってのぞき趣味なのかしら? 妙に周囲が気になる性質でね。昔からグラフィック・メモリーというくらい、意味がわからないことまで目に焼き付けてしまうのよ。だからテストは教科書の丸暗記だったわ。実技できないのに、保体は満点。
なんの話だったかしら? 助べえな話をしたいわけでもないのよ? あらやだ。はしたない。ヲホホ……。
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