第39話もう、死ぬの?

 夕べえも知らぬ幸福感に包まれて、「ああっ! どうしてこんなに幸せなの!?」ともんどりうって数時間後。

 お腹がすいて目が覚めた今朝。


「ああ、アマゾンで購入手続きした『艶漢』今日届くかなあ……楽しみだけど待つ身はつらいなあ」


 と心で何度もぼやいていた。

 

 うずうず。胸のずきずきするようなうずきが止まらない。


 しゃあない。散歩へ行こう!


 思って着替えて玄関を出たら。ポストの中にまさかの鼻血の素が入っていた。

「やった、やった。帰ったら読もう。散歩をやめてもいいけど、祖母たちと散歩へ行くのも久々だし。我慢我慢」

と、騒ぐ胸を押さえて玄関の下駄箱の上に置いてきたんである。


 で、帰ってきた。さあ読もう! と思って郵便袋を開けたら、艶漢の⑥⑨⑩が入っていた。困った。実は夕べ、我慢しきれずにアマゾンで試し読みをしたところ、⑩は佳境に入っている。どうなったのか、続きが読みたくてたまらない。だけど、わたくしは順序を気にする女。⑥から読まねばなるまい……うむむ。⑦⑧がそろうまで⑨⑩は据え置きか。

 死にそうに葛藤するが、わたくしの命の灯は案外か細い。

 葛藤どころか、おあずけ喰らったようなもので、そうたいしてもちはしないだろう。理性VS欲望の巻。絵でも描くか……。


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