第35話「艶漢」⑧どきどきしたぁ!
すごいもの見ちゃった。
第二十二話「空想好きの女」
今ここで、こんなだよ、と言っても、混乱しているようにしか見えないだろうと思う。けど、すごいんだ。
一応、軽めに書くと……。
~~~~~登場人物~~~~~
*山田 光路郎(やまだ こうじろう・男性・17歳)……巡査。
*車田 庄一(くるまだ しょういち・男性・?歳)……連続強盗犯。
~~~~~わたくしが見たすごいシーンの再現~~~~~
〇長屋の一角(外)
長屋の中から泣き声がしている。
制服姿の山田 光路郎(17歳)が駆けつける。
〇同(内)
山田、戸に手をかけ、一気に引く。
車田 庄一(?歳)顔をあげてそちらを見る。
車田「な、何だ お前」
中に、鼻血を出し、あざだらけの顔の子供。
車田、子供の前髪をつかんでぶら下げている。
山田「連続強盗犯 車田 庄一だな!! 逮捕する!!」
と、山田、にらみつける★。
車田「ひっ」
と、車田、血相を変え、背を見せて逃げようとする。
背後から車田の左肩をとらえる山田の手。
山田「逃がすか!!」
と、山田、左ひざげりを入れる。
車田「!!」
脊髄にヒットし、車田のけぞる★★。
山田の足元に倒れ伏す車田。
山田、子供の方を向く。
山田「もう大丈夫だ」
子供、泣いている。
~~~~~再現、終り~~~~~
「艶漢」は昭和風情エログロ・アンダーグラウンド事件簿なのだそうだ。
わたくしの拙いシナリオもどきでは、すごさが伝わらないであろうから、言葉を重ねる。(無駄というか、いまいちすごくなさそうに見えても「艶漢」を嫌いにならないでください)
まず★の部分。いつもはせっけんの匂いをさせていそうな純な正義漢である山田くんが(大喜利ではない)にらむ。人を殺さんばかりの目をして! 具体的に言うと四白眼といって、白目が多く、黒目が周り四方向に届かない。人相学で言っても人殺しの目である。
しかも効果音なしだ。くわっとかカッとか書いてない。絵で描いてある。これが怖い。
次に★★の部分。漫画であるから、視線は流れるように右上から左下へ。
「逃がすか!!」
ドカッ(膝が脊髄に入ってる)
「!!」
となる。
これが一コマで描かれている。ある意味リアル。
もちろん、ここが「艶漢」のひとつの見どころではあるのだが。この作者さん、どういう勉強してるんだ。めっさこわい。
活劇と銘してあるのだけど、アクションが直截で、見せ場という感じがしない。
はっきり言えば、巡査としては感心するくらい迅速であるし、こんなところでグロく乱闘とかやってもしかたない。(中間点で、主人公らが虐待される子供を救うシーンであるが、どんでん返しがある)
しかしこれがまた、結構あっさりと急所を突くので、心底ぞっとしないというかなんというか。
なぜ恐ろしいかというと、この漫画の真似をすると、人を殺せそうな気配がするからである。実践だろ! これ!! と、どきどきしてしまう。
聖闘士星矢みたく、バーン! とかドゴーン!! とか書き文字がしてあって、何だか知らないけどキャラクターが手を大きくかざしたら拳がいっぱい出てきたり、敵が天にふっとぶとか、そういう不思議な感じではない。ちなみに、昭和から連綿と続く某少年誌による「なにやったんだか原理は全くわかんないけど、すごい技」とかは存在していない。物理攻撃。
説明は足りているでしょうか?
足りないという方はぜひ「艶漢」⑧・尚 月地(なお つきじ)/作をお求めになって、その艶っぽさとテンポのいいギャグに(そしてエロに、エロにエロに)頭をつっこんで、お愉しみください。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます