第4話今日の日は「はじめの一歩」
森川ジョージさん作。ボクシング漫画。
一巻から読み始めたけれども、実はその内容はすでに知っている。アニマックス+で(プレステ4)観てしまった。
あいたたた……な告白をしてしまったが、それがきっかけで漫画を読もうと思った。
アイタタ……なわたくしにはアイター……な元上司がいて、汚いデスクの上に、なぜか「はじめの一歩」が、そこだけ聖域のようにずらーっと並べてあったんである。当然気になる。が、後になってその上司にいじめられたので、嫌になってバイトをやめた。ですから、「はじめの一歩」も嫌な上司を思い出すので近寄らず、通り過ぎてきた。
だけど、マイク・タイソンの逸話を読んで、男のひとがいつまでも少年の気持ちを忘れない理由を知った気がした。
力が正義、そういう人がよくいるが、その訳がわかる気がしてきた。力がなければ、正義を、己の大切な存在を守れないのだ。
わたくしは小学校の中学年の時、生まれつき心臓の病の男の子を知っていた。隣の席だった。その子は面白い冗談を言い、ソフトな物腰だったので、女子に好かれていた。
ところがある日、彼を侮辱する男子が現れ……心臓が弱くてスポーツすら禁じられている彼は、なんと! 顔を真っ赤にして殴りかかっていったんである。ぽかすかと。
これを見て、わたくしは彼の中にある情熱に気づいたし、彼が傷ついたプライドのために戦う気概のある「漢」であるとわかった。きっかけはなんであれ、見直したのである。
脱線したが、マイク・タイソンだって同じだ。かわいがっていたハトを殺した、いじめっ子に向かっていった、それがマイク・タイソンのはじめの一歩だったに違いない。
いじめられっ子のあの子に、心の情熱を傾けるものが、拳をふるってでも守りたいと願っているものがあったなら。そう想像するだけで、なんだかファイトがわいてくる。応援したくなる。
本作品はそういう気持ちをわかってくれる、貴重な一作だ。先は長いけれど、アニメと同じく、通して読みたい作品だ。
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