第3話 詠唱×復唱×女の勲章

 ルルの妹コッコ。彼女は立派な魔法使いになるため、家庭教師のミザリー先生と勉強に励んでいる。そんなある日の授業。


 「今日は詠唱の授業です。コッコ、私の後に続けて唱えなさい」

 『うぃ』


 「”荒々しくも高貴なる炎よ、わが手に出現せよ!”……はい続けて」

 『”若々しくて高給なる男よ、わが手中に集まれ』



 ガシィィン!※

 (※ミザリー先生、コッコの顔を両手でがっつり挟むSE)

 圧縮されたコッコの顔が・3・になる。



 「……教えてないよね?」

 『ぷぃ・3・』


 「先生、これでも昔はすっごくモテたのよ。じゃあ次ヒール系いくわね」

 『うぃ』


 「”満ち溢れる命の聖霊よ慈悲で我が傷を癒したまえ!”……はい」

 『”満たされぬ女の性欲は自慰で心の傷を癒すんですか?”』



 ガシィィン!



 「……今聞いたわね。先生に問いかけたわね。先生のこと言ってるの?」

 『ピルピル・3・』

 「……そう、少し取り乱したわ。ごめんなさい。

  ちなみにスライムローションは必須アイテムよ。

  次は召喚系いくわね」


 「鋼鉄のからだ、若き神の力は輝かしく、積み重ねた筋肉が凶器となって破壊をもたらす。いでよタイタン!……はい!」

 『崩れたからだ、若き頃の服は懐かしく、積み重なった脂肪が凶器となって破壊しつくす。ようはパンパン!』



 ガシィィン!



 「ゴラァ!誰がパンパンじゃあ!ワイか!ワイのことか!」

 『ピ……ピガイマプ・3・』

 「そうだろう!先生はスリム!先生はスリム!言ってみろ!」

 『おちりはプリプリ!オパイもプリプリ!・3・』

 「よぉし、次はシールド系だ!」

 

 「”幾億もの光よ、全てのものから拒絶せん、我を守りたまえ”……ハァイ!」

 『行き遅れた女よ、全ての男から拒絶され、我を守るのは昔のプライドだけ

  ……哀れな先生』



 ガシィィィィン! ガシィィィィン!

 『うぶぅ、ぶぃう!・3・』



 「ハイわたしぃー!完全にわたしのことー!!”先生”言ったなりぃぃ!!

 説教か。8歳が42歳に説教か!新鮮だよイェー↑!

 見ろ!お前のせいで目尻に一つシワが増えたわ!どうしてくれる!

 お前だってあと30年もすればババアだよ、もれなくウェルカムババアだ!


 上級戦士に劣らぬ食事制限、暇さえあれば顔マッサージ、夕方は体に鞭打って運動しつつ、ゲロのような栄養ドリンクを飲み干す!

 それでも、それでも、ほうれい線の深みが増していく恐怖がわかるか!

 お前にぃ……うっ……わかって、ひっく、たまるかああ。

 なんだよこの肌、ぷにぷに張りやがって!食ってやる!お前を食って若返ってやるうぅぅ!うわああああああああああん!!」

 

 ルル帰宅。


 {おいコッコ。またミザッち泣かしたのか?}

 『あ、おねーちゃん。

  先生……なんだか子供みたい』

 {昔から変わんねーなぁ。あれ?またシワが増えたなミザッち}


 「おまえらお仕置きだぁぁぁ!!ケツだせぇぇぇぇ!!!」


 『{待ってました!!!}』サッ!

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