第11話 ブルーのワイシャツ

赤い花を目にしながらミナミは思っていた。


(科捜研の女してます・・・。何をしてるんだろう)


ミナミは、それを言った先生の名前をキョウコ先生と聞いた。


そして赤いコートの女性を「マリ先生です」とキョウコ先生


からも教えてもらった。


この先生達が科捜研の女をしている。


(なぜだろう)


とミナミは思った。


ミナミは、色々と考えた。


この辺は、隣の家に泥棒が入るくらい物騒な所だ。


ミナミは、急に家から外に飛び出し、周りを見渡しながら


目をキョロキョロさせていた。


家の前には、電車が通り、近くには会社がある。


そして、この辺では珍しいピアノ教室があった。


ミナミは、急に思った。


(そういえば、マリ先生と会った近くのマンションは、


評判が良くないと聞いたな)


そう思ったミナミは、隣りの会社の前を足早に通り過ぎ、


そのマンションへと向かった。


そして、そのマンションに着くと周りをウロウロしながら、


そのマンションを見上げて見た。


日中は、人通りもなく、誰一人見かけない所だった。


ミナミは、ある事を思い出した。


ある日、このマンションの前で買い物の帰りに、コンビニの袋、


それに紙袋を持ち逆方向に向かう男性たちを目にした事を


思い出した。


そう思っていたら、女性の先生が話しかけてきた。


「前代未聞なんです」


その声は、ある程度、経験を積んだように感じる、しっかりした声


・・・キョウコ先生の声だった。


(前代未聞?)


ミナミは、何処からか聞こえてくる声に耳を疑った。


次に、


「本当に・・・、今までにないんです」


困りながらも、しっかりとした声、でも後が続かないようなような


話し方だった。


ミナミは、キョウコ先生の話を聞いて、


(前代未聞ってなんだろう・・・)


と不思議に思った。


そして、ミナミは、驚きながらもキョウコ先生を気遣いながら、


話を続けようとしたが、マンションの前で呆然と立っている


事しか出来なかった。

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