第5話 ブルーのワイシャツ
大学病院での出来事を思い出しながら、ミナミは、コーヒーを
片手にテレビをボーっと見ていた。
ミナミは、毎日のテレビを見て社会で起きている事件や情勢に
とても関心があるようだった。
ある日、
「人と人とが話すって、どういう感じ?」
と、可愛らしい声の女性が聞いてきた。
その声は、病院関係者だとミナミは思った。
ミナミは、その事を毎日のように考え過ごすようになった。
「人と人とが話すって、どういう感じ・・・」
以前、保育士の勉強をしていた彼女は、興味深そうに考え、短大の
時の本を机の引き出しの奥から引っ張り出してても本を読みたくなった。
そして、ミナミが,引っ張りでしてきた本は、「言語」の教科書だった。
そして、この言葉がなかったら、ミナミは、いつものように好きな笠井さん
が出てくるテレビも、冷静に見られていなかっただろうと感じていた。
その女性は
「お母さん、いつもお掃除して偉いね」
と話しかけてきてくれた。
そんな、若い女性の言葉を聞いて優しさと配慮を感じていた。
それと一緒に、最近の若い子、皆に、このようなものが備わって
いればと思う自分がいた。
ある日、突然、同じ女性から、
「検査だったらどうします?」
「・・・・」
ミナミは、黙っていた。
次に、
「医師なんです。名前は、マリと言います」
と言いにくそうに返ってきた。
そんな彼女を不思議に思いながらも、この女性医師に
会う事を求めた。
「お会いできませんか?」
と、ミナミは話した。
マリは、しばらく黙った。
「待ち合わせしませんか?」
と、ミナミは更に話をした。
すると、しばらく黙っていた女性医師から
「では、私、赤いコートを着て行きます。どこで待ち合わせしま
しょうか?」
と、話しをしてくれた。
ミナミは、冷静に待ち合わせ場所を決めていた。
「それでは、本屋さんの前でどうですか?ご存知ですか?」
と女性医師に場所を確認した。
「はい、知っています。40分くらいかかると思います」
と戸惑いを隠し切れないように言った。
それでもマリは、携帯の電話番号まで教えようとした。
ミナミは、それを聞いて、ふとした事が浮かびマリが電話番号を
言うのを止めた。
次にミナミは、マリに自分の目印となるものを伝えた。
「胸に、お花をさしていきます」
と心配そうに伝えた。
「マネジメントしない?」
あれから数日が経ち、 ミナミは、和也の次に、医師というマリと
マネジメントしてしまった。
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