第4話 ブルーのワイシャツ

「大学病院のロビーで待っていて」



あれから数日が経ち


ミナミは、緊張しながら彼に合う準備をしていた。


ミナミは、洋服も苦戦しながら選んでいた。


なぜか、そんな毎日を過ごしていた。


そして、とうとう彼に会う日が来た。


電車を乗り継いで大学病院へと彼女は向かった。


やっぱり、東京は思っていた通り、混み合っていた。


それと、春のような暖かい感じがした。


病院に着くと、ロビー奥の椅子を確かめなが座り、彼を待つ事にした。


しばらくすると、近くにスーツを着た医師らしき男性が現れ周りを見ていた。


その時にミナミは、ふんわりとした男性の声を聞いた。


「ミナミ・・・」


ミナミは、何気ない声に反応してしまった。


「ブルーのワイシャツってあの人?」


と思いながら本を読んでいた。


ミナミは、緊張しながら本を読む振りをした。


和也は、さりげなく彼女の椅子に座り、わざと二人分あかした位置に


座った。


ミナミは、さりげなく隣に座っている男性を見た。


すると突然・・・


「和也・・・」


と彼女の耳に入った。


ミナミは、驚いて


「ミナミ・・・」


と返した。


しばらく二人は、時間が止まったように、椅子に座りながら


黙ってうつむいていた。


それから、次々と場面が変わるかのように声が聞こえてきた。


「僕の隣に座ってみて・・・」


と和也が言ってきた。


それに、戸惑いながらもミナミは、


「え?座れない・・・」


と短く返した。


「じゃ、少しでもいいから動いて・・・」


と和也は言ってきた。


ミナミは、少しでも彼の近くに座ろうとして動こうとした。



大切な話…、マネジメントを成立させたという気持ちがあったからだ。


ミナミは、勇気を振り絞っって少し動いた。


すると次に、


「ミナミ・・・。僕についてきて」


彼は緊張した面持ちの中に余裕さえ感じられながら、


その言葉を残し歩き始めた。


しかし、彼女は、約束したマネジメントと思わぬアクシデントに、彼の背を


見てただ茫然とするしかなかった。


和也の後をついていけなかったのだ。


そしてミナミは、初めて彼に会って、約束したマネジメントは難題と感じた。


その後、二人の時間は止まったように流れていた。














  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る