Chapter.3

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社「さて、今日で屋台製作は最終日になるね」


牧「あと6台か」


部「じゃあ、アタシは一人で行かせてもらうわね」


蒼「この間以来の部長の本気か」


芙「私は社長とですか?」


社「それでいいんなら」


牧「じゃあ俺は蒼人とだな」


蒼「うし、やるか」


望「がんばれー」


牧「望ちゃん、最近よく来てくれるよな」


蒼「俺が仕事の日はあいつは暇だからな」


芙「とても嬉しい応援ですね」


蒼「まあ、それは置いといて…」


明(望さん、氷って作れますか?)


望「さすがにそれは出来ないかな。でも冷やすのならまかせて」


夜「冷たい飲み物準備してますから、充分に水分をとってくださいね」


蒼「なぜ更月母子がいるのか」


明(私がちょっと見に行くと言ったらお母さんまで付いてきちゃって…)


夜「せっかくの近所付き合いですから、少しは手伝いたいと思ったんですよ」


部「なんだか賑やかになってきたわね」


社「祭りにも負けない楽しい仕事だね」


蒼「それはともかく神社はいいのか?」


明(お父さんがいますから)


夜「浅晴あさはるさんは今は夏期休暇中でして」


蒼「へぇ」


蒼「ん?………朝と夜で明乃か」


明(ふぇっ?)


夜「あら、よく気づきましたね」


蒼「いや、適当に…」


明(そうなの!?)


夜「そう。私が夜で、浅晴さんがあさ…だから、この子の名前を付けるときにやれ昼だとかやれ明け方だとか話をしてたんです」


蒼「で、明け方からとって明乃か」


明(知らなかった…)


夜「これには私たちだけじゃなくて、家の母の思いも込められているんです」


明(おばあちゃん?)


社「おや、忍さんが」


夜「母はこの子に、この子が出会う様々な夜を明かせるようにと思いを込めたようです」


芙「様々な夜?」


社「きっと、困難とか苦悩とか、そういうのを暗喩して言ったんだろうね。古式ゆかしいあの人らしい言い回しだよ」


蒼「それで、明乃は明乃となったわけだ」


明(自分の名前の由来、初めて知りました)


夜「いずれ話すつもりだったけどね。何かの節目があればと思ったけど」


夜「でも、それより先に蒼人さんに気付かれるとは、そんなに明乃の事をわかってる人なら、私は大歓迎ですよ」


明(なっ!?)

蒼「なっ!?」

望「なっ!?」


牧「あ、三人が同じ反応をした」


明(お、お母さん!どどどうしてそそそんないいい……)


夜「あらぁ?でも明乃少し前に蒼人さんとお出掛けしたときにプレゼントを頂いたんじゃないの?」


明(そ、それは蒼人さんというより望さんからのプレゼントみたいなもので…)


蒼「そうですよ。俺は望に…」


望「でも、払ったのは蒼人く…」


蒼「ややこしくなるからしゃべるんじゃない」


………


夜「さて、明乃をからかうのはこれくらいにして、皆さんはまだ休憩されないのですか?」


明(………)


望「…明乃ちゃん、ちょっと拗ねてる?」


蒼「ちょっとじゃないな、だいぶ拗ねてる」


牧「蒼人、なんかお前が羨まけしからんという気分になったよ」


蒼「なんだよそれ」


蒼「もう少しですかね。大体お昼を目処に休憩を取るので」


明(祭り屋台の製作は、大変ですね)


牧「慣れればでかいプラモデルみたいなものさ。組立図はあるし手順もわかるし…」


蒼「違う所と言えば重量位だろう」


牧「そうな。屋根の芯とか」


望「部長さん…すごい………」


部「フンッ!………フンヌッ!!」


望「また見えなくなりそう」


蒼「さすがの部長だ」


芙「望ちゃん、少し手伝ってもらってもいいかな?」


望「はーい!」


牧「すっかり一員だな」


蒼「楽しそうで何よりさ」



………



牧「なぁ、蒼人」


蒼「なんだ?」


牧「こういう昼休みに人が集って昼飯を食べるときにな」


蒼「あぁ」


牧「よく、女の子が二人いる奴ってのは、間に挟まれてやきもきするものだと思うんだ」


蒼「あー、噂には聞くなぁ。ゲームとか漫画とかのそれな」


牧「何でお前は二人の女の子を座らせて一人で立って飯を食っているんだ?」


蒼「二人がベンチに座ったら俺が座る場所がなくなった」


望「そうじゃなくて」


明(いいんですよ?間に)


蒼「望もそうだが、明乃も最近何かを企んでるような顔をするのな」


芙「蒼人さんの優しさは、女の子にはちょっと行き過ぎてる時もありますよ?」


蒼「釘を指すように言わないでくれ。その一言は俺に効く」


望「だったら、間に」


明(どうぞ、間に)


蒼「へいへい。わかったよ」


社「蒼人くん、モテモテだね」


蒼「二人とも、率先して男性を間に挟もうとする辺り、本当に物好きというか…」


望「それは、蒼人くんだからだよ」


明(他の人にこんなことはしません)


牧「やっぱりお前羨ましいよ」


芙「望ちゃんも明乃ちゃんも、蒼人さんを信頼してるんですね」


望「それはもう、私の恩人だから!」


明(趣味の合う唯一の人ですから)


蒼「だ、そうだ」


芙「ふふっ、そうだねー」


牧「芙由、お前なんか楽しそうだな」


芙「なんでもないよー」


牧「?」


社「さて、あと3日で夏祭りだね」


部「ここまで長いようであっという間でしたわ」


望「蒼人くん!」   明(蒼人さん)


蒼「両方からサラウンドで呼ぶんじゃない」


蒼「わかってるよ。祭りには連れていってやるから」


芙「もし行くのなら浴衣を着るのかな?」


蒼「ゆかた………」


牧「俺らも行くぞ、浴衣で」


望「浴衣かぁ…私持ってないよ」


蒼「残念ながら俺も持ってないな」


明(あのっ、家に浴衣やら着物がたくさん余ってるので、もしよかったらお貸ししますよ)


望「ほんとっ!?」


蒼「ほう」


明(おばあちゃんが物持ちのいい人だったので、女性用も男性用も浴衣があります。あと、お母さんと私が着付けは出来ますから)


蒼「神社の一族って、すごいんだな」


望「明乃ちゃんってすごいんだね」


明(お礼は私よりもおばあちゃんに言ってください。あと、一族とかそんな仰々しい呼び方は…)


夜「あら、家の浴衣の話?」


明(うん)


夜「ちょうど、着てくれる人を探してたのよ。もしいなかったらもう処分しようとも思ってたのだけれど…」


明(よかったです。おばあちゃんの遺した物が他の人に使われるのなら)


夜「なんだったら差し上げますよ?」


蒼「いや、それはちょっと…」


夜「そうですか?」


蒼「形見の品ですし、今回は借りるだけで」


明(私は、蒼人さんなら差し上げてもいいと思います。遠からぬご縁ということで)


蒼「…でも自分達で着付けも出来ないので、やっぱり借りるだけにしておきます」


夜「それじゃあ、せめて蒼人さんと望ちゃんに似合う浴衣を選んでおきますね」


蒼「お気遣いなく」


牧「さて、あと三台だ」


社「これなら定時で終われそうかな?」


社「あぁ、そうそう。祭り屋台が終わったら一週間の夏期休暇だよ。ただし日報が終わった人限定でね」


部「アタシは昨日あらかた打ち終わってるわ」


芙「私も同じくです」


蒼「俺、一日くらい出社しないとダメだろうな」


牧「………」


芙「まきとくん?」


牧「八月前期…まだ手もつけてましぇん………」


芙「あっ………」


蒼「阿呆だな」


部「まあ、牧人くんらしいわよね」


牧「蒼人、助けてくれ~」


蒼「仕方ない、お前はともかく彼女の芙由がかわいそうだから手伝ってやる」


牧「あ゛り゛か゛と゛うーーー…」


社「それじゃ、作業再開で」


蒼「望も明乃も、夜子さんもあとは俺たちの領分なんで、自由にしていいんですよ」


明(ここまで来たら最後まで見守ります)


望「私も最初からそのつもりだよ」


夜「冷泉町の代わりに手伝わせてください。せっかくですから」


蒼「…わかった。好きにしてくれ」


望「あっ、私扇風機の前に立ってるよ」


蒼「風に当たりすぎると冷えるぞ?」


望「もう冷えてるからみんなを冷やすんだよー」


明(お母さん、飲み物を買い足してくるね)


夜「暑さに気を付けてね」


蒼「ラストスパートか」



………



牧「うし、最後の一枠…」


蒼「嵌め込んで………」


牧「っおわったーーーーーー!!!」


社「お疲れ様、46台これで全部完了だね」


部「ふぅ、長い戦いだったわぁ」


芙「リチェックも完了ですね」


蒼「もうあとは知らんぞ」


牧「全くだ」


望「あおとくーん!」


蒼「のわっ!?こら抱きつくな!」


望「おつかれさまー!」


蒼「ならせめて手を握るだけに、汗つくから…って冷てっ!引くっ、風邪引くっ!!」


芙「わぁ、蒼人さんの汗が軽く凍り始めてます」


明(やっぱり特殊な体質ですね)


部「本当に望ちゃんと更月さんにはお世話になりました」


夜「一日だけですけど、お祭りのお手伝いが出来て楽しかったです」


明(いつか…冷泉でお祭りがされるときは…)


社「うん。その時はもちろんお手伝いさせてもらうよ」


明(ありがとうございます)


社「じゃ、お疲れ様でした」


蒼「お疲れ様っした。望、行くぞ」


望「うん」


牧「じゃあ俺らも行くかな」


芙「牧人くんは明日から少し頑張らないとね」


牧「ぐっ…」


夜「明乃も蒼人さんにお誘いしなさいな」


明(えっ、でも…)


夜「それなら、私から誘いましょうか?」


明(……うん、お願い)


夜「もう、臆病なのね。蒼人さーん」


蒼「はい?」


夜「もしよろしければお仕事終わりに夕飯をご一緒しませんか?」


蒼「はぁ…だとさ、望」


望「みんなでご飯?いいよいいよ」


蒼「いいそうですよ」


夜「それなら、家にいらしてくださいな。色々ご用意出来ますから」


蒼「ありがたいですけど、手持ち無沙汰なのも気になるので食後に食べられるものでも用意します」


夜「決まりですね。よかったわね明乃」


明(そこで私に振らないで)


蒼「?」


望「あっ、ふふっ…」



………



望「お邪魔しまーす」


蒼「ご招待にあずかりました」


浅「あぁ、君達が明乃の友人だね。よく明乃から聞いてるよ。更月さらつき 浅晴あさはるだ」


蒼「祭ヶ原 蒼人です。初めまして」


望「冷泉・望=フリージィです」


浅「蒼人君に望ちゃんか。望ちゃんは変わった名前だね」


望「よく言われます」


浅「おっと、立ち話をさせてしまったね。どうぞ上がってくつろいでてください」


蒼「失礼します」


望「明乃ちゃんは…」


浅「今、夜子さんと一緒に料理を作ってるよ。随分張り切ってたね」


望「蒼人くんが来るからかな?」


蒼「なぜさ?」


望「気の合う友達に、頑張って何かをしてあげたくなったんじゃないかな?」


蒼「そうか。わからんでもない気持ちだな」


浅「そういえば、望ちゃんは特殊な体質なんだって?」


望「はい。ほら」ギュッ


浅「おおっ!?手が氷みたいだね!」


浅「いやはや確かに、これは冷え性とかそんな類いのものじゃないね」


蒼「そういえば、馴染みすぎててお前が特異体質なのを忘れてた」


望「もー、一番近くにいる蒼人くんが忘れちゃダメだよ」


蒼「すまん。今度から物を冷やすときに努めてお前に頼むことにする」


望「こーらー!」


浅「あははっ、二人は仲が良いんだね」


望「蒼人くんが意地悪なだけです」


蒼「全くだ」


望「認めた!?」


明(お父さんも蒼人さんも玄関先で何漫才を繰り広げてるんですか)


望「あっ、明乃ちゃーん」


明(どうぞ中に)


………


夜「急に誘って申し訳ありませんね」


蒼「夕食も決めあぐねていたので渡りに船でした」


明(もうすぐ出来上がるので、お茶でも飲んで座って待っててください)


浅「じゃあ僕がおもてなしをするよ。料理が用意できたら運ぶから」


明(うん。おねがい)


浅「しかし、明乃にこんな意外な友達ができるとは」


蒼「それは親交のある俺も思ってます」


浅「明乃から聞いたかもしれないけど、あの子はこの神社が大好きな子だからね」


蒼「はい、かねがね聞かされてます」


浅「蒼人君は神社は好きなのかい?」


蒼「ここに来たのはただの偶然ですけど、明乃から色んな話を聞いていくうちに冷泉神社の事がわかって楽しかったので」


浅「そうか、君が楽しくしてくれて嬉しいよ。僕は夜子さんのお母さん…忍さんからは神社の事はあまり良いように聞かなかったからね」


望「んー…」


明(おばあちゃんは、いつも神社の事を神様のいない神社でいいと言ってましたから)


蒼「おう、明乃」


明(支度が終わったからお父さんも手伝って)


浅「あぁ、すぐ行くよ」


望「神様のいない神社かぁ」


蒼「お前も神道に興味が?」


望「そうじゃないけど」


望「何て言うか…空っぽな感じがして、寂しいなって」


蒼「そうだな、神社は神様がいてこそだしな」


望「何か訳があるのかな」


蒼「それを明乃は図書館に行って探してるんだと思うぞ」


望「………神様、お祭り、踊りの儀式…くりかえす」


蒼「…望?」


望「あっ、私また何か言ってたかな?」


蒼「なんかうわごとを呟いてた」


望「う~ん、そのうわごとを私は覚えてないんだよ~」


蒼「気にするな、それより今は」


浅「お待たせ。随分たくさん作ったみたいだからたんと食べてよ」


夜「それは作った私たちの台詞よ浅晴さん」


明(お父さんは運んだだけ)


浅「あはは…」


浅「蒼人君は、呑めるかい?」


蒼「じゃあ少し。望もいるんで控えめに」


浅「そうだね、後が困らせちゃ悪いからね」


明(望さんも、何か遠い料理があったら取るので言ってください)


望「ありがとー」


夜「さぁて、賑やかな夕飯は久しぶりね、いただきます」


………


明(今日はお疲れの中ありがとうございました)


蒼「お礼を言うのはこっちの方だよ、色々ご馳走になって…」


明(蒼人さんのデザートもよかったです)


望「私も選んだんだよ」


蒼「選んだのを取ったのもお前だがな」


望「それを言わないでよ」


浅「また時々明乃の話を聞きに来てくれるとありがたいよ」


蒼「また寄らせてもらいます」


望「それじゃあまた今度ね」


明(はい。次は夏祭りですかね)


蒼「あぁ、待ってるよ」


夜「じゃあ、おやすみなさい」


蒼「ありがとうございました」

望「ありがとうございました」


………


望「みんなでご飯、楽しかったね」


蒼「俺らには珍しい団欒だからな。お前は静かなのとやかましいのではどっちが好きなんだ?」


望「んー、賑やかな方がいいかな。色々と独りだった私にはこういう空気の方が楽しいよ」


蒼「………そうだな」


蒼「さて、あとは帰って寝て、明日の仕事に臨むか」


望「それが終わったらお休み?」


蒼「おう、今度は長い休みだから色々退屈させないで済むぞ」


望「わーい」


蒼「………ん?家の前に人が?」


望「ほんとだ」



?「あっ!やっと帰ってきたわね!」



蒼「こ、この腹から出す鋭い声は…」


望「だれ?」


咲「まったく、母親が帰ってきたというのに迎えも無しだなんて、随分親不孝になったんじゃないの?」


蒼「というか、予定じゃもうちょっと後だっただろうに」


望「蒼人くん、だれ?」


咲「あら、この子が電話で言ってた望ちゃん?」


蒼「あぁうん。望には紹介してなかったな、この元気な人は俺の母さん、祭ヶ原まつりがはら 咲希さきだ」


咲「初めまして」


望「あ、えと…初めまして!冷泉・望=フリージィですっ!」


咲「………」


望「…あの」


咲「…初めまして、望ちゃん。蒼人が迷惑かけてないかしら」


望「あの、蒼人くんにはいつもお世話になってます!」


咲「意地悪とかされてないかしら?」


望「あっ………」


蒼「なんだ?品行方正な俺をしてなぜ黙る?」


咲「あんた相変わらずなのね」


………


蒼「でもマジでなんで早く帰ってきたんだよ?」


咲「へっ?高速が空いてたから文字通り高速で飛ばしてきた」


蒼「安直だな」


咲「だって蒼人がいきなり居候の女の子がいるなんて話をするから、本当なら時速200キロで駆けつけたかったわ」


咲「しかも………」


望「?」


咲「こんな可愛い女の子を迎えてるだなんてお母さんもビックリよ~!」


望「わわっ!?いきなり抱きついて!?」


咲「って、冷たっ!」


蒼「言い忘れてたがそいつは身体が極度に冷たいんだ」


咲「あーひんやりだわー」


望「あ、あはは…」


蒼「で、母さんは今回はいつまでいるんだ?」


咲「8月末までよ」


蒼「長っ」


咲「思いきって有休をふんだんに使ったわ。上司を説得するのは苦労したわ」


蒼「説得と言うより脅は…」


咲「あらーひとぎきのわるいことをいうのはだぁれ?」


望「蒼人くんのお母さん、楽しい人だね」


蒼「大体こんな感じだよ」


咲「喜んでもらえて嬉しいわ。私のこのテンションを毛嫌いする人も少なくないからねぇ」


望「私は楽しいです」


咲「ありがと~」


望「わっ、また抱きついて!?」


咲「冷たっ!」


………


望「じゃあ、先におやすみなさーい」


咲「おやすみ~」


パタン…


蒼「ふぅ」


咲「さて、改めてただいまね」


蒼「あぁ、お帰り」


咲「いやぁ、ほんと女の子を連れてるって聞いたときは驚いたわ」


蒼「悪かったよ、一言も知らせてなくて」


咲「でも、安心もしたわ。私のわがままであなたを独りにさせて、そこに責任も感じてたから」


蒼「…そういえば、俺は結局その出ていった理由をはっきり聞かなかったんだよな」


咲「そうね、ごまかしてばかりでちゃんとした理由は言わなかったものね」


咲「…ねぇ、蒼人はこの町は好き?」


蒼「まあ、愛着が湧く程度には」


咲「大学を過ごした都会に出たいとは?」


蒼「どうかな、そこまで都会に執着はないからな」


咲「そう…」


咲「ま、もろもろの話は置いといて、夜も遅いし私も今日は寝ることにするわ」


蒼「あ、」


咲「どうしたの?」


蒼「母さんの部屋、望が使ってる…」


咲「あらま、二人で一緒に寝てないのね」


蒼「兄妹か」


咲「それなら私はリビングで寝るわ」


蒼「なんなら望を動かすが?」


咲「気にしないで、起こしちゃうのも悪いし、私は普段からこんな寝方してるから」


蒼「そうかい」


咲「あんたは明日も仕事?」


蒼「あぁ。明日行ったら夏期休暇だよ」


咲「あら、私ちょうど良く帰ってきたのね」


蒼「もうすぐ夏祭りだし」


咲「あぁ、ね」


咲「それじゃ、疲れをとって寝ることにするわ。おやすみ」


蒼「俺はちょっと日報を書いてから寝るよ。おやすみ」


Date-08/06

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