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(   くん、私、神様の事とか知らない………だって私は、   だもん、だから……   くん…私を連れ出して。私に、何度でも……好きって………言って………)



(…やだ、よぉ………   くんと離れたくない! りとか  とかそんなこと知らないもんっ!)



(………ごめんなさい   くん。私、  だから。そして   くんは  だから、私たち、ここでお別れしなくちゃいけないんだ。)



(来ないでっ!!)



(   くんがここで私の手を握ったら……私、離れられる自信がなくなっちゃ………う………)



(ねえ   くん、こっちこっち、私のとっておきの場所教えてあげる)



(   くん、   くんは本当に私のこと好きなの?)



(   くんは、 りをするんだよね?それなら、約束ごとは知ってるはずだよね?)



(…それでも   くんは、私に)



蒼「っ………」


…………


蒼「夢か」


蒼「奇妙な夢だったな。誰かが何かを言っていたようだが、いかんせんその誰かがさっぱり入ってきて………ま、いいか」


蒼「………あー、仕事から帰ってきて即眠りこけてたか」


蒼「テレビも付きっぱなし、上着も放りっぱなし。完全に駄目な大人の様相だな」


蒼「…で、こう言うときにはアレが来る、と」


ピンポーン


蒼「やっぱり来たのか」


「いよぅ!お前が仕事帰りにふらふらしてたのを見たから来てやったぜい」


「蒼人さん、私たちのお陰で色々余計に仕事をしてたみたいですから…大丈夫ですか?」


蒼「心配いらんよ。今一眠りしたらスッキリした」


蒼「牧人まきとはそこら辺に置いといて、芙由ふゆは心配しすぎだ」


牧「なんかオレ、さらっとディスられてない?」


芙「そんなことは…多分…ないと…おも」


牧「ふーゆー…?」


芙「そ、それより蒼人さん!お夕飯まだですか?」


蒼「ん、ああそうだな」


芙「もしよろしければ、私たちで何か作ろうかと…」


牧「そう、それでちょっと買い物してきたんだよ」


蒼「そりゃありがたいが…二人とも暇なのな」


牧「おう、オレは暇だぜ」


芙「私は牧人くんが行くって言ってくれたから、来ちゃいました」


蒼「そうかい、ならせっかく足を運んでくれたんだ。入れさせない理由はないさ。上がっていいぞ。」


蒼「…で、何を作る気だ?」


芙「カレーライスです、夏はスパイシーな物を食べた方がいいって聞いたので」


牧「芙由ってば、意外と辛いのが好きみたいだから気を付けろよ?」


芙「ま、牧人くん………」


蒼「構わんさ。いっそしっかり辛い方がいい」


蒼「それで、二人は自分の仕事は終わったのか?」


芙「あ、はい。蒼人さんのお陰で滞りなく」


牧「いやほんと、お前が替わってくれて助かったよ」


蒼「ま、付き合いたての二人に色々押し付けてきた部長にいい顔をさせるのも癪だったからな」


牧「お前、やっぱりちょっとドSだよな」


蒼「それはちょっとなのか、激しいのか」


芙「でもでもっ、そんな蒼人さんに私も牧人くんも助けられたので、感謝です」


蒼「芙由は優しいのな」


牧「そりゃあ、オレが好きになった奴だからな!」


蒼「それは芙由が優しい理由か?」


芙「えっと………」


牧「オレが好きなのは芙由みたいな奴だ、というか……」


芙「わわっ!?」


牧「オレが好きなのは芙由だからな!」


芙「ま、まきとくん~………」


蒼「…………食べる前からごちそうさまだな。ま、今後も仲良くすればいい。俺は応援してるから」


芙「は………はい!」


牧「よーし、そろそろ出来上がるなー!蒼人、皿をかりるぜー」


蒼「おう、人数分はあるだろう?」



……………



牧「それじゃあな、また時々来てやるぜ」


芙「また、お仕事でお会いしましょう」


蒼「あぁ、またどこかでな」


牧「………?」


蒼「なんだ?」


牧「いや、なんか今日の蒼人はどこか楽しそうでな」


蒼「楽しそうとは?」


牧「最近なんか変わったことでもあったのか?」


蒼「変わったことなぁ、あるような…ないような…」


牧「どっちだよ」


蒼「まあ、ちょっと変な知人はできたかもしれん」


牧「ほーう、どんな子だ?」


蒼「俺は知人としか言ってないが?」


牧「そう言う辺り、あながち"どんな子"で間違ってもいないんじゃね?」


蒼「ぐ………」


牧「ま、追々話が聞けると期待しとくぜ」


芙「牧人くん、そろそろ遅くなっちゃうよ」


牧「あぁそうだな。じゃ、また仕事でなー!」


蒼「おう、じゃあな」


Date-07/06

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