女の子にパンツをもらった日。(解決編)
女の子にパンツをもらった日(解決編)
/
男1「この事件──いや、この物語は、俺が女の子にパンツをもらったことから始まった。
女の子にパンツをもらった、とはいうものの、実際は妹から沖縄旅行のお土産に男性用のトランクスを買ってきてもらったって、ただそれだけの話だ。
しかしだ。俺の友人であるこいつは大きな勘違いをしてしまっている。
このバカは、妹がはいていたパンツを、女性用の下着を俺が履いているだなんて、そんな妄想をしてやがるんだ。
俺はその妄想の誤解を解こうと、必死に弁明しているわけで・・・」
/
男1は手に男性用下着(トランクス)を持っている。
かわいいシーサーのバックプリントつき。
男1「だからさあ、何度言えばわかるんだ。これは、俺のパンツだ」
男2「だから、女の子にもらった、女の子のパンツなんだろ?」
男1「違う。女の子にもらったけど、俺のパンツを、もらったの」
男2「ほら、女の子にパンツもらってんじゃん。ヘンタイか」
男1「ヘンタイじゃねえよ。
よく聞け、まずお前は勘違いしている」
男2「は?」
男1「俺は女の子のパンツをもらったんじゃない。女の子にパンツをもらったんだ」
男2「やっぱり女の子にパンツをもらったんじゃないか! 嘘つき!」
男1「嘘つきじゃねえよ」
男2「じゃあやっぱり女の子にパンツをもらったんじゃないか!」
男1「まずこれは、女の子のパンツじゃない」
男2「じゃあ誰のパンツなんだよ」
男1「俺のパンツだ」
男2「だから、女の子にもらった、お前のパンツなんだろ?」
男1「違う、女の子にもらった、俺のパンツなんだよ」
男2「ほらやっぱりヘンタイじゃないかあ!」
男1「なんかすげえ会話だなあ。パンツって単語がめちゃくちゃ飛び交ってるぞ」
男2「ぱんつぅ・・・」
男1「言っとくけどな、俺がもらったのは女の子のパンツじゃなくて、妹のパンツだからな?」
男2「余計にやばいわ!」
男1「やばくねえよ。妹に、お土産にパンツを買って来てもらったの!」
男2、耳をふさいで「あー」と声を出し、聞いていない。
男1「ちょっと、ちゃんと聞けよ!」
男2「嫌だよ! なんでお前の妹のパンツをお前がはいてる話なんか聞かなきゃいけないんだよ」
男1「妹のパンツなんてはいてねえよ! なんでそんな話になってんだよ。妹のじゃない!」
男2「妹いない? え? お前妹いないの?」
男1「いるよ、妹。どんな聞き間違いだよ」
男2「お前、妄想の中で妹がいると思い込んでたのか・・・なんて痛くてかわいそうな奴なんだ・・・」
男1「いるよ、実際の妹!」
男2「え? 実在の妹!? お前、何言ってんだよ。アニメの見過ぎなんじゃないか? 二次元の妹でも妄想してたのか?」
男1「アニメとか見ねえよ! なんだよ、二次元の妹って。いるよ、実の妹がいるの!」
男2「実の妹がいいの!? 義理の妹か・・・今までは義理の妹を妄想してたんだな。
それなのに実の妹が欲しいだなんて、本当にお前はかわいそうな脳みそしてる奴だなあ」
男1「意味がわかんねえよ。お前の頭がおかしいよ・・・。
実の妹はいるの!」
男2「・・・・・・」
男1「はい、不審な顔をしないの」
男2「・・・・・・」
男1「俺に、妹はいる。はい、言ってごらん」
男2「俺に、妹はいる」
男1「そう」
男2「あー、俺、妹いたんだあ・・・」
男1「そう・・・って違う! お前に妹はいない!」
男2「そうだよ! 俺には妹いないよ! お前何言ってんの?」
男1「・・・・・・うん、そうだね」
男2「わかったよ。お前に妹がいることは百歩譲って認めてやるよ」
男1「・・・うん、ありがとう・・・。百歩譲る前に認めて欲しかったな・・・」
男2「で、お前は妹のパンツをはいてるわけだ」
男1「妹のパンツははいてない!」
男2「え? 妹はパンツはいてない? お前の妹、パンツはいてないの!?」
男1「は? 俺の妹はパンツはいてるよ!」
男2「なんで知ってるんだよ!」
男1「普通はいてるだろ!」
男2「まさかお前、見たのかよ!」
男1「見てねえよ!」
男2「ヘンタイか!」
男1「ヘンタイじゃねえよ! 見てねえもん!」
男2「見てないのになんでわかるんだよ!
まさか・・・触ったのか!?」
男1「触ってねえよ。なんで俺が妹のお尻触らなきゃならないんだよ」
男2「お尻さわったのかよ!」
男1「触ってねえよ!」
男2「だって今お尻って言ったじゃないか! ヘンタイ!」
男1「ヘンタイじゃねえよ!」
男2「じゃあどこを触ったんだよ!」
男1「どこも触ってねえよ」
男2「前か・・・?」
男1「まえ?」
男2「まさかお前、前を触ったのか?」
男1「意味がわかんねえよ」
男2、携帯電話を取り出し、電話をかけようとする。
男1「警察を呼ぶな」
男2「なんでわかったんだ」
男1「そういうのはなんか、お約束だからな・・・」
男2「・・・・・・」
男2、電話をかけようとする。
男1「友達にかけるな」
男2「なんでわかったんだ」
男1「リアルなんだよ・・・やめろよ、そういうの・・・」
男2「・・・・・・」
男1「いいか、よく聞け、これは、俺のパンツだ」
男2「・・・はい」
男1「ほら言ってみろ、「これは、俺のパンツだ」」
男2「これは、俺のパンツだ」
男1「そう」
男2「え、女の子にもらった、俺のパンツなの!?」
男1「違えよ! なんでお前のパンツになってるんだよ!」
男2「そうだよ! なんで俺がお前のパンツをもらわなきゃいけないんだよ!」
男1「そうだよ! そうなんだよ! だから、俺の、パンツなんだよ!」
男2「あれ・・・?」
男1「ほら、おかしいだろ?」
男2「あれれ・・・?」
男2、パンツを手に取る。
【ラスト・パターン1】/ 解決、その一
男1「あ、ちょうど俺の妹が来たぜ。ちゃんと誤解をといてもらわなきゃ。
おーい、愛華ぁ! こっちこっち!」
めちゃくちゃかわいい妹が現れる。
男2、パンツと妹を交互に見る。
興奮しながらパンツをかいだりする。
男1、驚いた顔で自分とパンツを交互に指差し、
俺が履いていたと控えめにアピールするが、
男2は気付かない。
男2、勝手に発狂。死。
暗転。
【ラスト・パターン2】/ 解決、その二
男1「あ、ちょうど俺の妹が来たぜ。ちゃんと誤解をといてもらわなきゃ。
おーい、愛華ぁ! こっちこっち!」
やたらごつい妹が現れる。
どこからどう見ても女装した男である。
でも、彼の妹である。
男2、パンツと妹を交互に見る。
男2、絶叫。そして発狂。
暗転。
【ラスト・パターン3】/ 解決、その三
見つめ合う二人。
男2「俺、お前のパンツでも全然いいや!」
男2、パンツの匂いを嗅ぐ。
男1、絶叫、発狂。
暗転。
コント・女の子にパンツをもらった日。 なつみ@中二病 @chotefutefu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます