プロローグ 8
プロローグ 8
━━━民間物流センター保管倉庫━━━
B3……B2……B1……F1 チン
現在階表示画面がエレベーターの到着階を示した。
大型コンテナをもスッポリと収納して余り有る超巨大なエレベーターのドアが、ゆっくりと滑なめらかな動きでドアが開くと折り畳まれた赤い塊かたまりが姿を表した。
片側から一方向に開くドアが全開に差し掛かると頭部が現あらわれ赤い塊の正体が明あきらかとなり、その巨大な腕は開ききったドアを塞せき止めた。
「博士、メカノイド形態に成った意味ある?」
青い軍服の青年が、やれやれと話し出す。
「当然だこれから戦闘に成るのだから、何事にも備そなえは重要だ」
コックピット内のスピーカーは自信有りげに鳴り響く
「いやあの、破壊して外に出るとかカッコイイ事言ってたけど人が移動するスペースしか無くて乗り込んだら破壊するどころかドアが開くまで身動き一つ出来ないじゃ無いか」
「このまま立ち上がれば破壊できるぞ、私の体でほぼスペースが埋まってしまって居るからな破壊以外に出る方法が無い」
「こんな状態で一瞬で殺られちゃうよ。研究室出るときなんか出るとき砲撃されてるんだから、見つからなかったからいいようなものの」
「そんな心配はいらないだろ君の能力ならば例え野砲の直撃を受けたとしても傷1つ付けることは出来ないだろプランBくん」
うずくまって居た赤い塊は 床に手を付きエレベーターの天井を押しそのまま立膝たてひざを付きエレベーターをメキメキと破壊しながら立ち上がる
「あいたたたたたー、あぁぁー止まれとまれストップすと〜ぷすとーぷ……ふー」
切り妻屋根の斜めの部分でやや首を曲げた状態で止まった。
「うるさいな、何なんだよいったい」
「何なんだじゃなーい。痛いではないか、もっと優しく壊さんか、あと建物は壊さんようにな外にバレてしまうからな」
「はいはい了解なんで痛いんだかなメカなのに」
「失敬な、メカでは無い人間だ。視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚、五感が備わっているそして就寝すると些細な不調ならば自然回復出来る。完全に人間だ。」
「人が中で運転出来る人間て本当に人間なのかなもうメカじゃんどうしてケルベロスの博士はこうも人間にこだわるのかついて行けないよ」
「個性と言ってくれないかなティコで有名じゃないか同人誌即売会で見かけるコスプレと同じだよ」
「全長約19mの人が運転出来るロボ、もう人間じゃないような」
「スレイヤー行くぞ」
「でっこれからどうする博士」
「簡単だよ今からマシーン変形して北の岸壁に出るその間の障害物はすべて廃除し船を奪い雨の海を渡って一番近い丘のエラトステネスに向かう」
「じゃ早速始めよう」
スレイヤーはハッチ開けメカノイドから飛び降りた。
鞄の中から折り畳まれた魔法陣が書かれた紙と車のおもちゃを取り出しまず魔法陣の紙を開き呪文を唱える。
「大気にあまねく滴よここに集え」
すると魔法陣の上に雲を作り少量の雨を降らせたすると魔法陣のシワはすっかり消えた。
次に車のおもちゃを魔法陣の上に乗せ呪文を唱える。
「偶像よ在りし日の姿を思い出せ」
その瞬間魔法陣が光りだし同時にメカノイドと車のおもちゃは魔法陣に沈んだ。
そして、もう一度浮かび上がる車のおもちゃはロボットに変わりメカノイドはバギーに変わった。
スレイヤーはシャッターの開閉ボタンを押しキィキィカラカラとシャッターが巻き上がるのを確認するとバギーに乗り込み
「さて行こうか」
倉庫を後にした。
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