プロローグ 7
プロローグ 7
━━━第一資材倉庫(地下)━━━
青い軍服の青年は、マシーンの中でじっと息を潜ひそめていた。
「博士、行ったようだよ」
とスレイヤーはささやく
「そのようだね」
マシーンと一体化した博士はスピーカーを震わせた。
島と内地を繋つなぐ連絡トンネルは、貨物車両7両を出入り口内部に押し込みディーゼル車を切り離した後に駆動系を爆破、入出不可能状態を完成させ速すみやかに警備兵達は撤収てっしゆうしていった。
「でもさ博士あれじゃぁトンネルの復旧にも時間がかかるだろうね。」
「そうでも無い様だよスレイヤー、工兵隊を投入すれば一時間足らずで復旧してしまうだろう。何故なぜなら彼等かれらには、豊富な資材と人材に経験に裏打ちされた技術力が有る。対して我々には知識は有れど人手も技術も資材も足りていない、ついでに言うならば時間も無い全まったく良い部下かを持ったものだ」
「へぇーあのヒステリック女がね、アイツだったらトンネルを爆破して土砂で塞ふさぎそうだけどね」
「その通りだよスレイヤーまさしくその様に彼女は命令したのだが現場判断で変更されたのだろう実に素晴らしい、無駄な破壊をせず目的を果たすとは」
「へぇーそりゃあ凄いや、でもさ何でアイツの命令を知ってるんだよ」
「当然だハッキングは、私も出来るのだからな。そして当然ここも場所が特定されるのも時間の問題と成ってしまったがな」
「博士、それやらなくても良かったんじゃないかな」
「狭せまい島内見つかるのも時間の問題だよ、むしろ敵の状況をいち早くしかも絶妙のタイミングで調べた私を褒ほめてくれても良いんだよスレイヤー」
「…………あ〜……う〜ん……オーケーOK了解、解ったよ。で、ここから上に行く搬入エレベーターってのは何処どこに有るの?」
「んっ、あぁ、そうだそうだったねこれから案内するゆっくり待っているといい」
スレイヤーは、ハンドルから手を離はなし座席にもたれた。
人の気配が無くなるまで暫しばらく待ちそして警備兵が立ち去さった方角ほうがくに博士はマシーンを走らせた。
「博士もしかして、さっき来た道戻るの?」
「そうだ、さっきの兵士が入って行った手前を曲がった奥にある」
「なかなかスリル満点だね」
「少し黙って居てくれなかスレイヤー不足の事態が起きると不味い」
「へーい、ところで博士サーモセンサーに人影は映うつってるの」
「なら気にする事無いんじゃ」
「センサー働いている可能性は否定出来無い気をつけるにこしたことは無い、彼等は今もシステムの回復に勤めている」
「でも、さっきのハッキングで居場所を特定出来るんじゃ」
「…………スレイヤーシートベルトを付けたまえ」
シートベルトを付けるやいなや突然マシーンは、スピードを上げスレイヤーは、シートに押し付けられた。
マシーンは、一瞬で資材搬入用エレベーターの前についた。
「危ないな博士いきなりスピードを出すなて」
「スレイヤーそこのエレベーターのボタンを押して来てくれないか」
スレイヤーは、コックピットの開閉ボタンを押し半円型の透明防弾ハッチを後ろにスライドさせてイヤホンマイクを付け外に出た。
「博士、このエレベーターどう見ても博士が入れる殆ほど大きく無いよ」
「スレイヤーそれは軍用だその奥に民間用のコンテナがまるごと入る超大型のエレベーターが有るそのボタンを押しくれ」
イヤホン越ごしに博士の声を聞くと疑うたがいの表情を浮かべるも足早あしばやに歩きはじめた。
━━━資材搬入用エレベーター前(民間用)━━━
「大きいね、ドアが殆ど壁と一体化してるよ」
「スレイヤー、エレベーターを下げてドアが開いたら継続ボタンを押してドアを開放状態にしてくれ」
「了解」
スレイヤーは、ボタンを押しじっと待まつ
「スレイヤー敵が来るかも知れない気を付けて」
「了解」
スレイヤーは、右脚太腿みぎあしふとももに有るホルスターの滑落防止かつらくぼうしのボタンを外した。
搬入用エレベーター(民間用)のボタン周まわりは、エレベーター呼び出しボタンの他、受話器とエレベーター現在階表示画面が有る。
受話器は、軍の機密事項を守る為に民間に制限をかける為であろう。
エレベーター現在階表示画面は、余りにも大きいドアの為に通常通りドアの上に表示すると見え難にくさを解決する為と予想される。
エレベーター現在階表示画面は、刻々と回数を進めて行った。
B1……B2……B3…………B7
スレイヤーは、ホルスターに手を伸ばす。
B8
資材搬入用エレベーター(民間用)のドアがするりと意外なほど素早く開いた。
スレイヤーは、ふーと息を吐はくとエレベーターの中は、誰も居ないただただ広い空間が顔を出した。
「博士誰も居ないよ」
「そのようだな、スレイヤーよろしく頼む」
「了解」
スレイヤーは、エレベーターを開放状態にすると足早にマシーンに戻った。
「ところで博士、なんでエレベーターとの距離をとったの?」
「それは、今から解るよ。スレイヤー、シートベルトを付けたまえ」
シートベルトを付けると猛スピードて加速させた。
スレイヤーをシートに押し付けハッチを開けたまま
スレイヤーは、心の中で呟つぶやく
『やっぱり』
マシーンは、その勢いを使ってドリフトで横滑りさせ、華麗にすっぽりとエレベーターの中に入って行った。
「あのこれ、俺も出来るんだけど」
「気にするなスレイヤー、サービスだ。さっボタンを押して上に進もう」
スレイヤーは、閉じるボタンを押してマシーンに戻りハッチを締めた。
「……でっどうするのこれ入ったは良いけど出られないよ」
「心配するなスレイヤー、着つけばそこは戦場だ壊して出れば良い」
「……」
スレイヤーは、渋い表情で沈黙した。
「頼りにしているよスレイヤー」
エレベーターは、上へ上へと解を進めた。
B7……B6……B5…………
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