第1-2話 プロローグ2

 目が覚め、俺は見たことの無い部屋の椅子に座っていた。

「こ、ここは…?」

「私は若くして死んだ人を導く女神アクア。ここは死んだあなたの新しい未来を決める場所。斎藤悠斗さん。辛いでしょうが、あなたの生は、おわってしまったのです。」


 アクアという人からそう言われた時、改めて俺は死んだのだと実感した。同時に、俺と同じく死んだ友人─石井弘樹のことが気にかかった。

「あの、俺とだいたい同じ時間に死んだ石井ってのがいなかったか?」

「あぁ、あなたと同い年位の子ね。あの子ならそろそろこの部屋に来るはずよ。」

 そうアクアが言い終わってから10秒ほど後に、突如部屋の中心に光が現れた 。その眩しい光が収まると、友人 石井がいた。

「ここは…って悠斗!?おまっどうしてここに?!」  途中にアクアの声が割って入り、

「感動の再開のところ悪いけど、ここは死後の世界。そして私は若くして死んだ人間を導く女神 アクア。あなたの生も、先ほど終わってしまったのです。…っとまぁ、マニュアル通りに言うのはここまでにしといて、2人とも、中2で死んで未練もあるでしょう?ちょっといい話があるのよ。」

「いい話…ってなんですか?」弘樹が聞くと、

「実は、2つあって、ひとつは、最近魔王軍によって脅かされている世界に転生して魔王を倒すってもの。もう1つは…っとその前に、あなたたちマイクラフトってしってるかしら?」

「あぁ、自由に建物を建てたり冒険できるゲームだろ?」

「そうそう。実はその世界に転生して自由に暮らすってもの。他の転生した人や元から住んでいるひとまでたくさんの人がいるわ。この2つのうち、どれにするか選んでね。」

…なるほど、どちらも面白そうだな~、、

「なぁ、弘樹はどっちがいい?」

「僕は魔王軍の世界かなぁ。クラフトの世界も凄いよさそうだけど。お前はどうするの?」

「うーん…俺も同じでいいや。クラフト面白いけど。」  

 すると、アクアはこんなことを言ってきた。

「言い忘れてたけど、魔王を倒すための特典があるの。それはどうするのかしら?」

俺と宏樹の2人で悩む。そして決めた。

まずは宏樹の方が、

「僕は中・上級魔法習得にする。そっちは?」

「俺はこの魔剣洞爺湖にするわ。」

「洞爺湖ってどっかできいたことあるような…?」と弘樹が考えていたが、それを遮るようにアクアが、

「2人共、特典は何にするかきまったようね。それじゃ、魔法陣かくからそこにいてね。」

 気づいたら床に光る魔法陣ができていた。その淡い光に包まれながら、

「それでは、新たな世界にて魔王を倒した暁には、願いを叶えてさしあげましょう!」

どんどん光が強くなり、2人を包み込みやがて…ゲートのようなものに吸い込まれていった。


見送りを終えた女神アクアが放った衝撃的 一言。それは……

「あ!!魔法陣間違えた!」



∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴



意識がはっきりしてきた。目が覚める。

「ついに、魔王討伐に向けた生活が…あれっ?」


2人が転生したのは、魔王を討伐するはずだった世界ではなく…マイクラフトの世界だった。

「あんの、駄女神がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

哀れな叫びが空に木霊していた。




 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

この四角の世界でサバイバル生活を! 京葉 @goisagi1214

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ