ミコト

景崎 周

◆私のことを、忘れないで――

第1幕 悲嘆の夜





 にゃあ。と猫が鳴いた。

 そのか細い声に反応して、俺の視界は開かれる。

 薄暗い中で映し出されたのは見慣れた小道だった。


 コンクリートの敷かれた幅一メートルほどの小道。その左右には、管理の行き届いた庭園が広がっている。

 左手側には優美な木香薔薇もっこうばらが幾つも花をつけ、右手側には剪定の施された躑躅つつじが咲く。その奥では背の高い椿の木が血色を放ち、すぐ隣で蝋梅ろうばいが綻びていた。

 白木蓮と沈丁花じんちょうげは甘ったるい香りを纏い、木々の隙間を舞い踊るように彼岸花が昏い空を仰ぐ。莢蒾がまずみは赤い実をたわわに実らせ、静かに佇んでいた。


 夜、なのだろうか。


 空は昏く、風も感じない。星もなければ月もない。どこか不自然で不可解な闇も、広がる庭園が恐ろしさを中和して消し去ってしまう。

 ここは子供の頃からよく通った“おきぬさん”の屋敷だ。目の前に広がる庭園は、おきぬさんが手入れをしていた彼女の楽園に違いなかった。春も夏も秋も冬も、色を忘れない聖なる場所。

 花に溢れた庭園の奥には平屋の大きな屋敷が俺を待つ。いつだって温かだった古い日本家屋だ。


 また、にゃあ。と猫が鳴いた。


 ふと視線を下げると、するりするりと足の間を二匹の猫が行き来していた。艶やかな黒色をした小さな子猫だ。二匹とも長くしなやかな二股の尻尾を揺らしながら、俺の足に頬擦りをしている。

 一匹が脚をよじ登ろうとした時、何故か懐かしいような気持になり、二匹を抱き上げた。


 俺はどうしてこんなところに居るのだろうか。

 猫を抱いたまま、花に倣って空を見上げる。

 ああ、そうだ。確か今日は朝から母さんと、屋敷へ遺品整理に来ていたのだ。それでここにいるのだ。

 ちょうど高校の夏休みだから。と、俺は荷物持ち要員として駆り出された。十五にもなると、力仕事も任されるようになる。そうだ。思い出した。何もおかしな事はない。

 何故もう夜になってしまったのか、母さんが何処に行ってしまったのか、考えても一切思い出せなかったが。


 黒猫が手の甲を舐めたのと同時に、頬に一粒雫が落ちた。二粒目もすぐに左目蓋の上に落ち、三粒目は唇を伝う。

 雨だ。このままでは猫が濡れそぼって、使古しの雑巾みたいになってしまう。幸い小道を進めばすぐそこに屋敷の玄関があった。雨宿りしよう。鍵は開いているはずだし、入っても誰も文句は言わない。俺は花に囲まれた小道を進み玄関を目指した。二十歩も進まないうちに小道は終わり、茶色いタイルが敷かれた玄関へと辿り着く。両端には古めかしい鎖樋くさりといが垂れ下がっていた。伝い落ちる透明な水はきらきらと輝き、まるで光を受ける水晶のようだ。

 チャイム代わりの魚板を叩く必要はない。だってもう、家主はこの世にいないのだから。

 いや、しかし、でも。と一応心の中でお邪魔しますを唱えて戸を引く。



「……え?」


 戸を開ければ、音に反応して踊る猿のぬいぐるみが。桃色の胡蝶蘭の鉢植えが。ガラスの花瓶に檸檬色の水仙が。

 おきぬさんの生前、そこは賑やかな場所だった。


 しかし、俺の目の前にあったのは――


「ひっ……!」


 闇色と、紅い紅い、一対の目。


「アァアアァア……」


 広がるはずの風景はない。代わりに、どす黒い何かが戸の枠にぎっちりと詰まっていた。地響きに似た唸り声をあげ、どろりと膨れては元に戻りを繰り返す。得体の知れない黒は絶えず流動し続け、タールのように蠢き続けた。塊の上部にはぽっかりとくり抜かれたような深紅の目玉があり、俺を見ている。気がする。


「ば、ば」


 何だよこれ!

 たちまち恐怖が身体を支配し、一歩後ずさった。


「バ、バケモ、ノ」



「アアァアァアアァァアァァアアアァアァアァアアァァアアア!!」



 庭園を劈く絶叫。

 電車が停車にあげるブレーキ音の方が百倍マシに思える。痛みすら感じる音の暴力に、一瞬凍りついた。足は無様に震え、脂汗が噴き出して止まらない。

 何なんだよ。くそ!


「く、来るな、あっちい、け」

「ア、アァアアァアァ」


 しどろもどろの拒絶に、化け物はまた唸った。

 身動きが取れない俺の前で、そいつは流動し、ついには戸の外へと徐々に流れ出す。

 来るなと言っても都合よく聞いてくれはしないらしい。


「アァァアァァァアアアァ!」


 逃げなければ。こいつは危険だ。殺される。

 こんな金切声をあげる化け物が、安全なモノである筈がない。

 俺の腕の中にはか弱い子猫だっているんだ。逃げろ、逃げるんだ、湊斗みなと


 震える脚に鞭打って、踵を返す。汗は相変わらず止まらないが、震えには打ち勝った。

 振り返るな、走れ。

 自身に言い聞かせ、俺は走り出した。庭園を出て右折し、更に次の角を左折して進めば大きな通りに出る。そこまで辿り着けば助けを求められるかもしれない。あの化け物を振り切れるかもしれない。

 いいや。振り切ってみせる。

 確固たる決意を胸に、俺は庭園の小道からアスファルトの道路へと飛び出した。


「きゃっ!」

「うわっ!」


 飛び出した瞬間、柔らかいものと衝突して背中から倒れ込む。同時に上がった悲鳴の片方は、聞き慣れた自分の声。もう一つは初めて耳にする、鈴を振るような声だ。


「いってぇ……」

「いったぁ……」


 腰や頭を強く打ち、全身に痺れが走った。視界には火花の残骸が散り、意識が霞む。


「ちょっと! どこ見て歩いてんのよ! 痛いんだけど!?」


 突然の抗議に、顔を上げる。

 すると、目の前でセーラー服の少女が尻餅をついていた。

 夏用のセーラー服が似合う、清楚な容姿の少女だ。

 年頃は同じくらい。琥珀色の髪は緩く編まれており、肩から二房の三つ編みとして垂らされている。同じく琥珀色の切れ長の目は、涼しげでありながらどこか可憐な印象を受けた。肌は一点の曇りもなく澄み渡り、唇は珊瑚色を湛えて潤う。捲れたスカートから覗く太腿はほっそりと蠱惑的な曲線を描いていた。

 太腿の先に見える白地のレースとリボンも、なかなか趣味が合う。

 先程の荒々しい抗議がなければ、理想的で完璧な清楚系美少女だった。


「だ、誰?」

「そっちこそ!」


 喧嘩腰でも、声色は可愛らしい。もう少し声を……と考えかけてはっとした。

 黒猫が、小さく鳴いたのだ。ぶつかった衝撃で二匹とも放り出してしまったが、怪我もなく傍で佇んでいる。

 今まさに、俺は逃げようとしていた。あの、おどろおどろしい化け物から。


「に、逃げろ! 化け物がっ!」

「化け物?」


 慌てて指をさした先。小道の上に、あのタールの塊はいた。

 玄関ドアから這い出た黒色は、巨体を気色悪く脈打たせながら蠢き、淡々とこちらへ迫ってきていた。

 このままではこの少女もあれに喰われてしまう。


「ふぅん。ここにいたのね」

「え?」


 悍ましい化け物を前に、少女は全く怯まない。スカートと膝をはたきながらすっくと立ち上がると、妖艶に笑んで唇を開いた。


荒御霊あらみたま、見ぃつけた」


 アラミタマ?

 何だそれ。この少女は一体何なんだ。

 一瞬で沸き上がる疑問符は、少女の「ユメ!」という叫びに掻き消される。

 少女が上空を仰ぎ見ると、間髪置かずにそれは現れた。

 少女につられて見上げた上空。光源の無い暗闇を、白銀の物体が駆けてくる。輝きを纏った大型の獣がさながら、猛禽類のように。

 俊敏な動きと四足の疾走は、犬や猫にしてはあまりに大きい。が、同種の獣には違いない。


「ラ、ライオン?」

「私の白狐よ」

「びゃ、白狐?」


 知っているけれど知らない。見た事のないあやかしの名だ。伝承や物語の中にしかいない架空の存在。

 馬鹿げていると思ったが、白銀が近づけば近付く程、その姿は鮮明に目に映る。

 体毛に覆われた太い四肢。煌めく逞しい胴体。長く舞い踊る四本の尾。尖った大きな耳。

 疑いようもない。間違いなく伝承通りの、本に書かれている通りの妖だった。


「ユメ! 散らして!」


 少女の掛け声に応じて、ユメと呼ばれた白狐が化け物目掛けて急降下する。弾丸の如く化け物へ体当たりすると、漆黒の巨体は一瞬で霧散した。まるで最初から存在していなかったかのように、あっという間に掻き消えたのだ。


 訳が分からない。

 確かに唸り声をあげて襲い掛かろうとしてきた化け物が、いなくなってしまった。

 殺せたのだろうか。いや、そもそもあれは死ぬのか?


 尻餅をついたまま、俺はぐるぐると思考していた。


「これで時間は稼げるわ。一旦引きましょう」


 唖然とする俺の目の前に小さな手のひらが差し伸べられる。血色の良い、柔らかそうな薄桃色の手のひらだ。


「あ、ありがとう」


 俺はその手を取ると、力は借りずに自力で立ち上がる。


「貴方、名前は?」

「え? あぁ、湊斗だけど……」

「そう。私は朱音あかねよ。御調みつぎ朱音。よろしくね、湊斗」

「こ、こちらこそ?」


 少女改め朱音はふっと、微笑んだ。

 幼い女の子のようなあどけない笑みに、ほんの僅か心が落ち着く。


「ユメ。へ案内して」

「承知いたしました、朱音様」


「えっ?」


 聞き覚えのない、新たな声が背後から発せられた。凛と鳴り響く、白雪のような静けさを孕んだ声だ。

 驚いて振り向くと、そこにいたのは和装の少女だった。

 金色の瞳に、きりりと引き締まった目元。胸元まである癖のない白銀の髪。色のない薄い唇は、知的で落ち着いた印象を受ける。全体的に俺や朱音より少し大人びた雰囲気があった。

 長身を着飾るのは、黒地に扇面せんめん文様の振袖だ。鮮やかな扇が幾つも舞っており、柄からして最近の流行りとは違う、古典的な物だと感じ取れた。帯は見事な刺繍の施された深い朱色だ。

 着物を着ているにも拘らず、随分胸元が膨らんでいる。線が細いためか一層胸部が強調されていた。

 そして最後に、大きな違和感を残す、頭部の獣じみた一対の耳。人間には絶対に無い、犬や猫のような、或いは狐のような耳が意思を持って揺れているのだ。


「も、もしかしてさっきの、白い……?」


 困惑する俺に獣耳の少女は微笑む。


「はい。朱音様の白狐、ユメと申します。以後お見知りおきを」


 ユメはうやうやしく礼をした後に「私達妖は人の姿を取る事も可能なんですよ」と言った。


「ちょっと二人とも、さっさと行くわよ」


 状況の呑み込めない俺を、呆れ顔の朱音が急かす。


「ついて来て下さい湊斗様。そう遠くはありません」

「あ、ああ……」


 まだ訳は分かっていなかったが、取り敢えず駆け出した二人の背を追う。

 雨はいつの間にか止んでいた。二匹の黒猫が相変わらず脚に纏わりつくので、踏んでしまわないように抱き上げる。濡れたアスファルトを蹴って、俺達は次の手掛かりとやらを目指した。


「何だよこれ……!」


 三十秒も走らないうちに、俺は周囲の異常に気付いた。

 同じ景色が延々と続く、明らかな異常だ。本来ならおきぬさんの屋敷の東西南北には道路を挟んで他の家屋が建ち並んでいる。すべて違う形状をした家々だった筈だが、現状は違った。碁盤目状に、全く同じ風の屋敷が、おきぬさんの屋敷が、永遠に続いているのだ。

 気が触れてしまったのだろうか。頬を抓ったら目を醒ますだろうか。


「なぁ」

「なによ」


 彼女達なら知っているかもしれない。一縷の望みを託して俺は二人に尋ねた。


「俺、夢でも見てるのか?」

「はぁ?」

「いや、だってこんなのおかしいだろ」

「まあ、おかしいでしょうね。だってここは荒御霊の形成した、紛い物の空間だもの」

「そのアラミタマって何なんだよ」

「あ、あら? 説明してなかったかしら?」

「していませんね」


 説明どころか、俺は自分の身に起こった異常について一切情報を得ていない。

 朱音は面倒臭そうに息を吐くと、立ち止まって話し始めた。


「さっき貴方が化け物って呼んだ黒い塊が荒御霊よ。悲しみや絶望に囚われた魂が変化した、悲嘆の権化」

「ええと……悪霊的なものなのか? あれ」

「悪霊とはまた概念が違うわ。どちらかというと妖に属するものよ。ほら、人を不幸にしたり命を奪ったりする妖がいるでしょう? その類」

「兎に角悪いものなんだな」

「一時的に、ね。人を襲う荒御霊は本来、人と親しい存在である事が多いの。彼等は人を愛するあまり絶望に陥りやすいのよ」

「絶望して俺を襲ったのか……一体全体どうして俺なんかを……」


 まったくもって面倒な化け物だ。


「貴方が絶望させたんだもの。貴方を襲うに決まってるじゃない」

「お、俺が!?」

「荒御霊は、絶望の対象を自らの創った空間に飲み込んで襲うのよ」

「じゃああの化け物を倒したら元いた場所に戻れるのか?」

「荒御霊は倒すものじゃないわ。鎮めるものよ」

「鎮める?」

「悲しみを取り除いて心安らかになってもらうの」

「はい。そのために、湊斗様のお力が必要です」


 会話に割り込んだユメに促されて、俺達はまた走り出した。

 どうやら俺は荒御霊とやらに、この突拍子もない空間に連れ込まれた、らしい。で、抜け出すためにはあの化け物を鎮めなければならない、と。


「湊斗様は、おきぬ様の親族の方なんですか」


 背を向けたまま二度角を曲がった後、今度はユメが尋ねてくる。


「ひ孫だよ。今日は遺品の整理に来ていた筈なんだけどな。気がついたら、だ」

「あーあ、やっぱり! ひ孫のくせに呑まれてんじゃないわよ」


 朱音の辛辣な言葉にむっとするが、ユメが「朱音様」と静かに諌めたのでここは引こうと思う。

 彼女達がどうして俺のひいお婆ちゃんを知っているのか、甚だ疑問ではあるが。


「で? 心当たりはあるの?」

「いや全く。つーか朱音達だって呑まれてるんだから、二人にも原因があるんじゃないのか?」

「無いわよ。私とユメは、ミコトとして自ら飛び込んだんだもの」

「み、みこ?」

「ミ・コ・ト。この空間での貴方のボディーガード。荒御霊と人とを結ぶ仲介人。私の傍にいれば安全。理解しなくていいから覚えなさい」

「お、おう」


 この二人から離れたら、俺は殺されかねない。だから間違っても別行動をとるなよ。と、頭に叩き込んだ。


「朱音様。もうすぐ目的地です」

「了解。湊斗、ここからは貴方にも手伝ってもらうから」

「え? は?」


 手伝うとは?


「荒御霊を鎮めるためには絶望の原因を突き止めなきゃいけないのよ。で、原因の手掛かりはこの空間に散り散りになって潜んでいるわけ。ユメは鼻が利くから潜伏場所が分かるの」

「へぇ」


 今度は左折。俺も朱音も少しずつ息が上がってきている。


「場所さえ突き止めれば、後は手掛かりを繋ぎ合わせて正解を導き出すだけ。その過程で貴方の記憶が必要になってくるの。何が何でも心当たりを思い出してもらうから」

「着きました。ここです」


 先頭のユメがアスファルトから、小道へと入った。

 相変わらず花々は咲き誇り、芳しい香りが漂う。

 歩調を緩めて、小道の奥に待つ玄関へ。躊躇なく戸が引かれ、俺は一瞬怯えた。もしかしたらあの黒い塊がいるかも、と考えてしまったのだ。

 しかし、予想は裏切られる。


 シンバルを持った猿のぬいぐるみに、胡蝶蘭の鉢植え。ガラスの花瓶には檸檬色の水仙。

 幼い頃から親しんだ光景が広がっていた。

 他にも玄関棚のある左手側には靴箱が鎮座している。鏡つきだが今は見たくなかった。玄関で各々履物を脱ぎ、左手側に廊下を進む。閉じられた襖を開ければリビングだ。


 黒い革製のソファに、黒いテーブル。薄型テレビに、人形や置物の並んだ戸棚。全面に敷かれたカーペット。ガラス戸を挟んで続くテラス。ここも、変わりはない。

 気になって仕方がないのは、一つ。靴を脱いだ辺りから腕の中の子猫が執拗に俺の指を吸っている点だ。俺の指先からミルクが出るとでも思っているのだろうか。くすぐったくて仕方がない。


「……貴方、その子達に懐かれるって事はやっぱり素質があるのね」

「猫に指をしゃぶられる素質があっても嬉しくないんだけどな」

「ほんっとに、一つも知らないのね。ひ孫のくせに」

「悪かったな」


 喋れば喋るほど癪に障るので、俺はそっぽを向いて胡坐を掻いた。脚の上で猫をあやし、気が済むまで指を吸わせてやろうじゃないかと手を差し出す。


「湊斗様、暫くそうしてあげて下さいね。すぐに――」


 腰を屈めて、ユメが囁いた。

 するとその瞬間、ポップコーンが弾けるような軽快な音が鳴る。同時に、急に感じた重さによって俺は仰向けにひっくり返った。


「ぐえ」

「あら、早かったですね、お二人とも」


 珍妙な声を上げた俺の上に乗っかっていたのは、一糸纏わぬ二人の女の子だった。

 まだ十歳程度の幼い女の子が、全裸で俺の上に座っている。

 どちらも黒耀の瞳に濡羽色のおかっぱ頭で、顔つきも瓜二つだ。こめかみの両側に大きなリボンをつけており、その色だけが異なっていた。


「みなとー!!」


 二人は声を合わせて俺の名を呼び、同じタイミングで首に抱き着く。二股の尻尾を揺らし、頭に生えた黒い猫の耳をひょこひょこと震わせながら、全力で。


 半ばパニック状態の俺は、されるがまま二人に揉みくちゃにされていた。


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