#2 だいたいきょひけんはない
呼ばれるままに、僕はUGN……
表向き老朽化の進んだマンションとして売りに出されている、借り手のつかない「マンション平坂 Ⅲ」の薄汚れた廊下の突き当り。301号室が支部長の部屋だ。よく物を忘れる僕にとって、突き当りというシンプルな場所は本当にありがたい。前
そんな風にぼんやり考えながら、301号室の扉を軽く叩く。ノックを三回。形式だけのノックの後、ゆっくりと扉を引いた。割とすぐもげる僕でも気軽に開けられる重さ。中は他の部屋同様、開けた途端に6畳ほどの居住スペースが待ち構えているプライバシーのない見晴らしの良い空間だった。……中央に置かれたソファを除けば。緑色のふかふかのソファには無精ひげの不健康そうな壮年が一人。言うまでもなく、支部長だ。
「やぁもすくん。今日は君に頼みがあって呼んだんだ」
人懐っこそうな笑顔を浮かべる痩せぎすの男。ラフに青いジャージを羽織り、軽く会釈している。僕は床に軽く座り、話を促すように顔を見た。
「……あー、"コトリバコ"って知ってる?」
「都市伝説でしたっけ、ネット発の……それで僕が呼ばれたってことは」
「察しが良くて助かるよ」
にや、と軽い笑顔を浮かべる支部長。
「そんな噂話の流行と、それをなぞらえたような不審死……
オリジン。僕らレネゲイド生命体……通称:レネゲイド・ビーイングの、言ってしまえばベースになるものを大別する呼称だ。
「まぁ、人死にも二人出ちゃってるし、これ以上後手に回るわけにはいかないんだよね。見つけ出してぶっ潰しておいて」
「"イージス"は?」
「彼は防衛向きだからね。受け身になる」
「"ヨダカ"ちゃん」
「夜勤担当だから夜は彼女に任せたまえ」
「えーと、"スターターピストル"……」
「絶賛調査中、優秀だね」
つまり――僕以上に適任はいないということで。
「さて……受けてくれるね、"
それは、つまり断れないということで。
僕はしぶしぶながら、今回も「
目論見通りって、支部長の笑顔にため息をつきながら――。
―――――――――以下、
→オープニングフェイズ インフォメーション
情報1、「コトリバコ」についての事件である。
情報2、被害者が二人出ている。
情報3、恐らく今回の事件はレネゲイドビーイングによるものである。
次回 → 情報収集フェイズ 1
この場合の行動指針は3つ
1、RBの元になっている「コトリバコ」の噂を調べる(情報:噂話)
2、RB:"コトリバコ"についての情報を調べる(情報:裏社会、情報:UGN)
3、被害者情報について調べ、共通点や襲撃傾向を調べる(情報:警察、情報:インターネット、情報:UGN)
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