第2話 登場人物設定②

ヴァイオス・ドーラ・セリアル・・・男。五十四歳。にモスグリーン色の髪オリエンタルタルブルーの瞳。可もなく不可もない容姿。尊大な雰囲気を常に纏わせている。

大国セリアルの王で、アイネの父。アイネの母が亡くなった後すぐに妹姫を娶り、身体の弱い女王に代わり、政務を行うようになるが、常にアイネの母である女王の日陰であった為、驕るようになっていく。元々王配として選ばれるほど優秀であったが、「女は男の後ろを歩くもの」、という古臭い概念の持ち主であった為、自分よりも遥かに才のあるアイネの母親に歯軋りしていた。王位を息子王子に譲り渡したいが為に、母親に似て抜群に優秀なアイネを後宮に実質上軟禁する。アイネを厭い、第二王女を溺愛し、王子も愛しているが、息子王子がアイネを慕うことが気に喰わなかった。血筋は王家に連なる者であるが、女王亡き後、王位継承者に王位を譲渡する為の中継ぎ的な存在である。大公家の次男がアイネを妻に、と望んだことにより均衡が崩れたことに焦り、第二王女の懇願もあり、アイネを暗殺することを決める。



プリム・イブ・セリアル・・・女。享年二十八歳。黒目黒髪。ウェーブののかかった絹糸のような腰までの髪に小顔の美しい容貌に凛々しい眉と柔らかそうな朱色の唇。艶めかしい面立ちにどこか儚さを感じさせる雰囲気を持つ。スラリと長い脚にスタイルの良い躯付き。

アイネの亡き母親で、大国セリアルの女王であった。その聡明さと優秀さは理想の為政者と称えられ、素晴らしい人徳に溢れていた。王女であるアイネを産んだものの、産後の肥立ちが悪く亡くなる。



オルガ・サラ・セリアル・・・女。享年三十二歳。黒髪にモエギ色の瞳。ウェーブののかかった絹糸のような腰までの髪に小顔の美しい容貌に凛々しい眉と柔らかそうな朱色の唇。優しい面立ちにどこか儚さを感じさせる雰囲気を持つ。スラリと長い脚にスタイルの良い躯付き。

アイネの亡き叔母であり、アイネ母親が亡くなった後に女王に即位し、姉の夫と婚姻するが、生まれつき身体が弱く、ほとんど床に伏していた。姉をとても慕い、母親似のアイネを殊の外可愛がり、充分な教育を施す。後に二人の子どもを産むが、亡くなる。歳は離れていたが、姉とよく似た容姿を持っていた。



アオバ・ジャン・セリアル・・・女。十六歳。モスグリーン色の髪オリエンタルタルブルーの瞳。やや癖のあるストレートパーマの前髪にミディアムでもフェミニンにならない髪型に薄く形の良い唇に筆で流したような切れ長の目、膝下が素晴らしく長く、小振りの頭。眉目秀麗な美貌。

セリアルの第二王女で、アイネの腹違いの妹。父王に溺愛され、何でも望みを叶えて育てられた為、世界は自分を中心に動いている、と無意識下で思っている。王族としての教養は一通り身に付いてはいるが、勉学や面倒事が嫌いで、王位は弟が継げば良い、と思っている。姉であるアイネを見下していたが、長年想い焦がれていた大公家の次男がアイネを妻に、と望んだことにより、嫉妬を爆発させ、殺意を抱くようになる。



レグロ・ブランシュ・セリアル・・・男。十四歳。黒髪にモエギ色の瞳。緩い癖のある髪を顎までの長さに揃えた髪形に驚くほど綺麗な細面の柔和な顔立ちをした美形。身体が薄く、女性よりも細く見える外見で怜悧な輪郭は細い筆で描いたようななめらかさで、奥二重の目は長い睫毛に夢見るようにけぶっている。るりとした肌は染みもニキビ痕も見あたらず、どこまでも白く透明。足が長く、腕も長く、普段は優しげで柔らかい空気を纏っているが、一変すると不気味なほどの扇情的な美しさを放つ。

セリアルの第一王子で、アイネの腹違いの弟。母親似の聡明さと優秀さを併せ持ち、王族としての冷徹さも兼ね備えている。幼い頃から子どもらしからぬ言動であったが、姉であるアイネを強く慕い、大公家と繋がりを持っていた。と同時に、父王と姉のオルガを毛嫌いし、アイネの暗殺が決定打になると、表面上はにこやかに接し、後々二人を追い落とすことを決めている。次期国王になることが決まっている。



ミハイル・リヴァネット・・・男。三十一歳。ファーグリーン色の髪にアプリコット色の瞳。雪原のような肌に神が最高の技術でもって配置したかのような絶妙なバランスの顔立ち。量感をほど良く減らしパーマで動きを出したスタイルのミディアムの髪型に甘やかさが微塵もない容貌で、細身でいて、素晴らしいと讃嘆される体格と体形。怜悧な刃物を思わせる冷やかな鋭い、「危険」と例えても何の遜色すらない雰囲気と存在感を放っている。

大国セリアルの大公家の次男坊。その政治と芸術にとんだ才覚は他国でも知らぬ者はいないほど。大公家を継ぐ話もでていたが、仕事と趣味を優先し、「変人」と渾名される。その容姿や立場から、女性関係はなんら不都合が生じていなかったがアイネを見初め、女性関係を一切合切清算する。どこでアイネを見初めたのかは謎。閉じ込められていたアイネは知らないが、ロイエ曰く、「性格は難が多々あり」、とのこと。レグロの後見に付き、アイネの帰還を待ち侘びている。




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