某国の女王(候補)は、婚約破棄された女性騎士を仲間にする
羊
第1話 登場人物設定①
アイネ・オーリ・セリアル・・・主人公。女。十九歳。腰以上までの露を含んだような絹糸の黒髪に黒い瞳。胸元の前で髪の房を二つ、白いリボンで結んでいる。彫刻刀で彫ったような切れ長の二重瞼に零れそうな大きな瞳に、真珠色の肌に長い睫を伏せがちにした癖をよくとる美しい容貌。清楚で艶やかな雰囲気を持ちながら、どこか禁欲的な存在感も纏っている。華奢な体躯で身長は百六十四ほど。
セリアル大国の第一王位継承者であり、その才覚は誰もが認めるところ。武芸も好んで嗜んでいる。父王と妹姫に疎まれ、逃亡生活を余儀なくされている。
ロイエ・メーベル・・・女。二十六歳。華奢な体付きをしているがスタイルが良く、着痩せするタイプで絹のように細かい雪のような肌、淡い紅色の頬。緑黄色の髪に青い瞳。フワフワの睫毛に小顔で凛々しく、ミステリアスな美しさを兼ね備えている容貌。全体的に丸みを帯びたシルエットのミディアムの、空気感をたっぷり入れ込んだ女性らしい柔らかいスタイルの髪型。身長は百六十六ほど。
アイネの侍女で、物腰は限りなく丁寧だが、中身は毒そのものな人物。ナイフ投げなどの武術にも秀でている。アイネを生涯の主、と仰いでいる。
ジュリア・リグレット・・・女。二十七歳。胸上までの脇下から前上がりのラインのボブベースにかなり高い位置からレイヤーを入れ、ボブの厚みをなくした髪型に色素の薄い明るいアーモンドアイズの瞳に膨らんだ緋色の唇。銀髪碧眼。しなやかで引き締まった、骨格の細い躯付きで硝子玉のように美しい瞳とスッキリとした鼻梁。不思議なほど洗練された色香を纏い、艶やかな容貌の麗人。身長は百七十二ほど。
ノウェム国の女性騎士。その容姿から女性に絶大な人気を誇っていた。婚約者と友人に裏切られた傷心中の中、アイネと出会う。剣の腕前は超一流。後にアイネ付きの騎士となる。
エイハブ・アスカン・・・男。六十七歳。白髪混じりのカーキ色の髪に緑の瞳。物腰柔らかな雰囲気を持ち、若い頃の美貌をそのまま残している。
ノウェム国の公爵であるが、息子に家督を譲り楽隠居の身。他国にまでその名が知られるほど優秀で名高い人物である。アイネの亡き母と懇意にしていたこともあり、アイネの逃亡生活を手伝っている。妻は早逝しており、子どもは息子一人。
ヒノト・アスカン・・・男。三十四歳。カーキ色の髪にエリオトロッポの瞳。目鼻立ちがくっきりとしているが、穏やかで清潔感のある、「見た目が良い」とハッキリと口に出来る容貌。髪はキチンと整えられており、常に優しげな光を瞳に湛えている。誰が見ても好人物な印象と優しげで温かな雰囲気を持ち、肌はなめらかで、筋肉も引きしまっている。
現アスカン公爵であり、結婚もしており、子どもが二人いる。王太子と懇意にしており、アイネのことも知っている。
イベリル・ゾイ・ノウェム・・・男。二十九歳。サンド色の髪にクリーム色の瞳。長身で肉厚、締まるべきところはキッチリと引き締まった美しい体躯に全体に癖のある柔らかい髪質、意思が強そうにも厚そうにも見える口元に高い鼻梁。目鼻立ちのハッキリとした濃い端正な容貌。存在感は頭抜けており、アクが強く、とてつもなく強いオーラを纏っているかのように感じる。
ノウェム国王太子。第二王子ではあるが、その優秀さから王太子に抜擢される。素行の悪い兄が頭痛の種。つい先日、他国の王族の姫を王太子妃とした。
バジル・イナ・ノウェム・・・男。三十一歳。エボニー色の髪にキャロットオレンジ色の瞳。肥え太った体格に、でっぷりとした尊大な表情を常に湛えている顔。裕福そうな雰囲気を漂わせ、ジロジロと物事を見る目が特徴的であり、丁寧に整えられ、撫でつけられた髪型。
ノウェム国第一王子。好色家で王族としては致命的なほど頭と才覚が足りない人間。後に王族の位を剥奪される。
グルテ・ラズブカル・・・男。二十八歳。金色の髪にトパーズ色の瞳。褐色の肌に逞しい身体、男らしい造作の容貌に、常に優しい微笑を絶やさず、清潔感のある表情。ウルフベースのショートレイヤーの髪型に華やかな顔形。いつもネクタイはしないまでも、高級そうなスーツに身を包んでいる。
ノウェム国の由緒ある伯爵家の跡取り。バジルの側近の一人でもある。ジュリアの元婚約者であるが、昔から女癖が悪く、それを隠すことも上手かった。周囲からは優秀な跡取り、と思われていたが、自分の容姿の使い方を十二分に理解している。ジュリアと付き合いながらも、ジュリアに男としてのコンプレックスを抱いていた。ジュリアの友人と二股をかけていて、最終的に友人を選ぶ。
オリビィア・ラズブカル・・・女。二十七歳。アイボリーホワイト色の髪にセラドンの瞳。クセをカバーしやすいやや重めのマッシュルームカットのショートカットの髪形。美しく、キリッ、とした雰囲気の中に華を感じさせる。
ジュリアの元友人であり、ジュリアが夫と付き合う前から夫に恋心を抱いていた。昔からジュリアに対して劣等感を抱いており、好きな相手を取られたことで、更にそれが強まった。ジュリアに気付かれないように夫を誘惑し、計画通りに身籠り、結婚を成し遂げる。
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