第12話 暴走族/バンパイァ2
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あの日からヘンになったのだ。感覚がアブノーマルだ。異常だ。毎日すこしずつおかしくなっていく。高野は鬼島に噛まれた。
……なにかおかしい。首筋から血を吸われた。もともと〈バンパイァ〉なんて名乗っている族だ。でもほんとうに吸血鬼がいるなんて、だれも信じてはいない。
おれはほんものの吸血鬼に噛まれたのか。噛まれた。高野は宇都宮のオリオン通りを歩いていた。
通りのはずれのマンションでは拳銃男が立てこもっている。警官とプレス関係者が街にはあふれていた。とてもワルサなどしていられない。
オリオン通りをぶらぶら、ひとりで巡行していた。東武デパートの手前の路地に入った。暗闇から手がのびてきた。路地の奥に引きずりこまれた。ふいに噛まれた。さからう間もなかった。圧倒的なパワーを持った腕で押さえこまれた。いま目の前にいる鬼島に噛まれた。
あのときからおれはかわった。
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