第7話 RFと夏子のバトル2


「ああ、故郷にかえってきたわ」

 RFとの戦いなど夏子には危機としては感じられないようだ。

 夏子がため息をもらす。

 清らかな横顔だ。

「ここは退きましょう。ホテルにでも泊まってヨーロッパの思いで話しをしてあげたかったのに。……それからこの川がまだ黒く濁っていたころのことを。……でも、いやな介入者がいたのでは危険よね」

 ホテルに泊まって、といわれてぼくはうれしかった。だがその言葉が、ホテル――ベッド――セックスと連想を呼ぶ。ふつうの男としての当然の反応。健康な男が女性に抱く欲望がわきあがった。股間がモッコリチャン。こわばった。

 ドギマギしたが。夏子に誘われているようで、うれしかった。そして夏子にたいしてふいに激しく欲情した。夏子の黒々としたカゲリをかきわけて……。そんなことを思うじぶんは不潔で、いやらしい男だ。お姫様に欲情するなんてどうかしている。ぼくは、反省した。

 まだ会ったばかりなのに。そんないかがわしいことを妄想しては夏子に失礼だ。だが、夏子とはながいことつきあってきたように感じた。

「また襲ってくることは、ないですか」

 妄想を打ち消すようにぼくは少し声を荒げた。

「それはないと思う。あのれんちゅうには、わたしは倒せないとわかったはずよ」

「刺客をさけるために、うちの道場にいこう」

「ありがとう。でも、長いこと留守にした家があるの。あす訪ねてきて」

 ぼくは車で夏子を送ることにした。

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