異世界に召喚されたが微妙にメタなのが気になる
俺は流行の異世界に召喚された。
目の前の女神が俺にいう。
「とある世界を救ってほしいのです。」
俺はもちろん快諾したさ。
そして、確認した。
俺は残念な死に方をしなければならないのかと。
そう、近年流行中の異世界転生においては定番の現世との別れの方法がある。
なんというか正直あれは多くの人に迷惑をかけるのでよろしくない。
いくら他の世界を救うからといって、こちらの世界に迷惑をかけるべきではないというのが持論である。
それを女神に告げると、女神は美しく微笑んだ。
「安心してください。この作者は、まだ未熟者です。ですが、その分ネット小説のお約束というのにも疎いのです。なので、あなたさまには残念ながら異世界転生という形はとられません。あくまで昔からのお約束で別世界で成長したのちにこちらの世界に戻ってくる異世界転移の形になるかと思われます。児童書通って感じもしますが、まあ素人さんだし、エタらなければ上出来ってところでしょう。おっと失礼。コホン、もちろん、あちらの世界での戦いが長引けばこちらに戻ってくるまで何年もかかるケースもありますが、こちらではせいぜい30分やそこらしかたっていないことになります。」
途中から何を言っているのかよくわからなかったが、とりあえずトラックに轢かれることなく異世界を救うことが可能なようだった。
「わかった。世界を救おうじゃないか。」
俺は真剣な顔で女神に告げる。
いやー、世界を救う冒険って男なら一度はあこがれると思うんだけど。まさか俺のところにチャンスが来るなんてね。小学生のころ夢中で読んだ冒険ファンタジーの知識が役に立つ。っていうのが心の本音なのだが、ここは神妙にしといたほうがそれっぽい。
女神は艶やかなはちみつ色のブロンドヘアーを後ろに払って、大きく手を開く。
「いざゆかん。異世界への旅!」
大きな金色の扉が開かれたのだった。
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