歳をとると、だんだん知り合いや家族に死んだ人が増えます。たまに彼等を思い出しては、「ほんっとーにバカなんだから!」とか「自分が許せなかったんだね」とか話しかけてる自分がいます。そんな一言一言が届くといい、届いて欲しいと思わせる小品です。
廃屋で出会ったのは、明るい茶髪の女子高生。もとい、その幽霊。言葉を交わす。触れ合うことはできない。心は近付く。少年は、正しいと信じたことを実行する。誰にも言わない、言えない、夏の初めの小さな冒険。少年の素直な心、静かな勇気、どこかノスタルジックな情景も全部、すごく好き。