第14話 友人からもらったHなDVDが幼なじみ♀に見つかって気まずい1
一月二十日月曜日。放課後になったのを見計らったかのように、スマートフォンが鳴る。アプリに新着メッセージが届いていることを知らせているらしい。
――面倒くせぇな……。
教室を出たところで立ち止まると、将人は憂鬱な気持ちでアプリを起動し、トーク画面を表示させた。既読にするためだ。
『誕生日プレゼントを送ったから、夕方には家にいてね』
――あんまり良い予感はしねぇな……。
吹き出しに書かれた文章を見て、気持ちが沈む。相手が女であれば色気のある話だが、残念ながらこのメッセージを寄越してきたのは男だ。彼からのメッセージはいつだってろくなことにならない。経験則から導き出される明解な答えである。
そんな悪い印象しか持たない相手であっても、将人は彼の指示を無視するわけにはいかなかった。海外にいた将人を日本に呼び戻し、現在の独り暮らし生活を支援してくれている大切な存在だからだ。さらに、彼と利害関係が一致する都合でいくつかの仕事を引き受けており、蔑ろにできない。
つまり、相手は将人の弱みを利用している。
『授業も終わったんで、真っ直ぐ帰ります』
さっと片手で打ち込んでスマートフォンを制服のポケットに押し込む。面倒ごとに巻き込まれないうちに宝杖学院を出てしまうことにした。
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