第1.5話そしてシュークリームサンダーとは何か


次の日、俺は自転車に乗っていた。

午前10時、授業が始まるギリギリに大学に着くように家を出発。背中には高校生から使っている青くて小さなリュックを背負う。俺は物持ちがとても良いのだ。

「貴様はマジで色々独り言が多い奴だなぁ」

俺は声を無視した。

「貴様、もう少し身だしなみみたいな奴は整えた方がいいと思うぞ」

無視した結果、無視したそいつは無視を無視して俺に話しかけてきた。俺は幻聴とか幻覚の類だと思っているし、なんならこの後珍しく図書館にこもって症状を分析したりなんかしようとすら思っている。

「貴様はどこにむかっておるのだ」

俺の背中のリュックには小さなパックが入っていて、そこには保冷剤と昨日のシュークリームが入っていた。

そして、このシュークリームは人語を話すことができるっぽかった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る