第2章2 「悪夢と思いたかった日」

「これが、俺とココアの…」

「想いのたーまーだああああああああああああ」


俺は、その一声でトリガーを引いた。

先程より膨大なビームはフィリアの体を貫いた。

俺は、それを見て気を失った。


あっさりだった。意外にも力を使ったらあっさりと。

でもここまで来るのに長かったので、寧ろあっさり感がなかった。


「侑!!侑!!」

「ん?あーフィリアか。心配したんだぞ」


俺は、目が覚めた。がそこは真っ暗な空間だった。


「侑、ごめんなさい私のせいで・・・」

「馬鹿言うなよ。フィリアの為だろう?」

「ところでフィリアここは?」

「私の意識下だと思います。前にもこういう風に暗闇にいました」

「って事は元に戻ったんだな?」

「だと思いますよ。本当にもう1度侑に会えて良かったです」

「何だよ。これからだって会えるじゃん」

「ですね。楽しみにしています」

「では、またお会いしましょう」

「ちょっと待ってフィリア」

「はい?」

「この場だからさ、言うんだけど」

「何でしょう?」

「あーっとえーっと」

「???」

「フィリアが戻って来てくれて嬉しい。その・・・大事な人だから」

「侑・・・」

「ありがとうございます。でも元に戻ってからちゃんと聞かせて下さい」

「ああ、うん。きっとな」

「では」


それが当分の別れだと知らずに、俺達は意識下から離れた。

意識が離れる時、微かにフィリアが泣いている様に見えた。


「侑!!侑!!」

「んっ・・・」


意識が戻った。夜だった景色も朝に変わっていた。

目の前にはココアが居た。


「ココア・・・?」

「侑・・・心配しました・・・でもありがとうございます」

「ココアまでそんな改まって」

「まで?」

「いやさ、さっきフィリアの意識下に居たんだ。そこでもフィリアが言っててさ。本当当たり前の事しただけだよ」

「・・・」

「ココア?」

「侑、とても言いにくい事があります・・・」

「ん?どした?今更行かなかった事恥ずかしがってるのか?」

「違います・・・」

「なら、何でそんな」


俺は、ココアが恥ずかしがって下を向いていると思った。

しかしそれは間違いだった。

ココアは泣いていた。


「ココア、何で泣いて」

「フィリアが・・・」

「え?」

「フィリアが亡くなりました」


その言葉を言った瞬間、ココアは泣き崩れた。

俺も、何も言葉に出来ず理解も出来ず、自分の目から流れていく物さえも不思議に思った。


「え?死んだ?え?嘘だろ?そんな・・・え?え?嘘だろ?え?え?え?」

「何でだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」


俺は気が狂いそうになった。ここまでの事があって、異世界にもう1度戻って成した事が全て失敗に終わっていた。

俺は使えないはずの左腕で自分を殴った。

自分の馬鹿野郎。何で死なせちゃうんだよって。


「侑!!止めて下さい!!そんな事をしてもフィリアは帰って来ません」


俺は殴るのを止めたが、頭の混乱は収まらず、ずっとココアが落ち着かせてくれた。

ココアも辛いはずなのに、彼女のが余程堪えているはずなのに。


1日経った頃、俺は完全に欝状態になっていた。

もちろん、まだフィリアの顔も見れていなかった。

そんな時に部屋にある人物か来た。


to be continued…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る