第1章17 「救いたい想い」

俺は1人でフィリアの元へ行った。

例え、無謀だったとしても。

「俺が絶対助けてやるからな」

城に着いた俺の目に映ったのは想像より、恐ろしい光景だった。

辺りには兵士の遺体が数百、いや、数千ある様に感じた。

血塗れの地面がまるで池の様になっていた。

「ここまで、規模が拡大してるなんて…嘘だろ」

そう思った矢先。

「ウワァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」

この世の者とは思えない程の鳴き声が鳴った。

「その声は…フィリアか?」

俺は大きな声でそう叫んだ、

「ウワァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」

声に気付いたのかフィリアはまた同じ鳴き声をした。恐らく返事をしたのだろう。

「フィリア、どこにいるんだ」

また、大きな声でそう叫んだ。

その時だった。

「ウワァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」

その声と共に、外へ出てきた。出てきちゃ駄目なのに。

「これはまずいぞ」

もうそんな事を言っている暇もなかった。俺は隠れて様子を見ることにした。

俺が持っているのは魔銃のみ。しかも1発。

無理ゲーにも程があると、この時俺のゲーマー魂がそう呟いた。

「1発で終わらせる方法…方法…」

俺はこちらに気付いていないフィリアの様子を見ながら、攻略方法を必死に考えた。

「俺の運なのかな?こういう時の攻略って」

はっきり言って、今までを振り返って運が良かったと思える場面はいくつかある。

でも、運を感じた時点で終わりだと思った。運に賭ける提案は却下だ。

「もう分かんねぇよ!!」

俺は無意識に大きな声を出してしまった。

「しまった!!」

「ウワァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」

完全にバレてしまった。

俺は急いで逃げようとしたが、

「ウワァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」

「あっ避けれない」

フィリアの暴走かした時、いくつか触手みたいなのが見えたのだが、見間違いだと思った。

しかし、その触手は存在しており、その触手が俺の体に当たった。

ボコッって音がした様な、しない様な。

後、何か体が半分になっている様な。

気付いたら俺は飛ばされていた。



「うっ…」

俺は目が覚めた。

辺りは妙な程静かだった。

「ああ…助けてやれなかったのか…俺の馬鹿野郎」

自分だけ気絶しただけで助かったと思い、俺に残ったのは悔しさだけだった。

「でも、それにしては静か過ぎないか?」

辺りを見渡すと俺は驚いた。

「嘘…だろ?」

静かだと言ったが、意識がはっきりした時、微かに機械音等が聴こえてきたのだ。

見ると明らかに、俺が知っている物ばかりだった。

さらに、触手で飛ばされた割には、痛みが全くなかった。

痛みがあるとしたら、そうあの時の痛みと喉に少し違和感のある痛みがあった。


そう、俺は、

現実に戻っていた。


to be continued…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る