第1章13 「魔法少女ココア」

取り敢えず家に帰宅した俺は、徹夜でフィリアの呪いの解除方法を探すべく、魔法の専門書等を漁っていた。

「全然分かんない」

字はフィリアから教わり大体の文字は読める様にはなったものの、専門書となると専門用語等が呪文の様に俺の頭をグルグル回っていた。

「もう、頭が潰れそう」

バタッ

俺は意識を失う様に寝た。

「あの…」

「はっは、はい!!」

俺は飛び起きた。

今の時刻を見ると、もうお昼だった。そら、お客さんも来るだろう。

今日来た客は何だが痛々しい服装をしていた。魔法少女?みたいな。でも表情的や声的に静かな感じの少女だった。

「い、いらっしゃいませ」

「ここは武器屋さんですか?…」

「いやまぁ、一応」

「では…」

「魔法銃ありますか?…」

「…」

「はい?」

俺は耳を疑った。今、この子は「銃」という単語を使ったからだ。

この世界には当然、銃など存在していなく、寧ろ飛び道具は弓しかない世界だったので驚いた。

「えーと…それは…」

「あっ…申し遅れました…私はバーンクロス城直属魔法部隊「アルヴァン」の魔法兵を育成する「アルヴァン魔法学校」の1年「ココア・ファフニール」です…」

「魔法兵?」

魔法使いとか聞いたことはあるが、さすがの俺でも魔法兵とは聞いたことはなかった。

「皆さんがいう魔法使いですよ…」

あっ…ちゃんとその言葉あるんだね。とつい思ってしまった。

「で?その魔法学校の生徒さんが何故「銃」とかという単語を知っているんだ?」

俺は普通に質問したはずだが、

「では何故、貴方は知っているのですか?」

しまった。ついつい知っている言葉だから普通に質問してしまっていた。

俺は凄いミスをしたと、反省してしまった。

「いや、あの魔法の専門書に書かれていて」

魔法銃という異世界の話はこの書物にも確かに記載されていた。

というかここも異世界だが。

「私もそれを読んでここに来たのです…貴方なら作って頂けると思いまして…」

「俺?」

「はい、貴方は最近降って来た様に現れた人物だと聞き、異世界の人なんじゃないかと思いまして…」

確かに当たっています。はい。

でも、それを正直に言えなかった。言っても信じてもらえないと思ったから。

「いや、俺はこの世界の人だよ」

「そうですか…でも絵を見れば作れそうですか?」

「んーやってみないと分かんないけど…」

「でも、何の目的で銃を求めるのだ?」

「それを聞きますか?」

ココアは不思議そうに聞いてきた。

「まぁ、そら気になるからな」

「フィリア様を助ける為です」

「え?」


何かの糸に結ばれた運命だと、この時は何も思っていなかった。


to be continued…

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