第1章14 「魔銃アルファリベリオン」
早速俺はココアの指南の元、魔法銃を作る事にした。
「ステンレス…簡単に作れないのか…」
そう、最大の難所は、鉄ではなく錆びない鋼板…つまりステンレス素材を作るという事。
元いた世界とは違い、ネットで購入するという手も無い。
俺はココアと共に、ステンレスを作るべく、古い剣等の鉄用品探していた。
侑が調達している分では足りないため、どこかで調達しなければいけなかった。
「え?もう使えない剣の剣部分をくれって?」
俺は他の武器屋を回り、鉄をたくさん集めた。
後は、合成するクロムを採取せねばならないが、ここは魔法がある為、ある程度の元素知識があれば簡単に作れてしまう、言い換えればチートみたいになっていた。
「うわぁ…簡単に作ったよココアさん」
「私によっては6歳くらいで出来てしまう魔法ですよ?驚かなくても…」
「俺は驚くんだよ」
そして、色々模索したのち試作1号が完成した。
「んー形は微妙だけど、まぁ今は拘っていたられないな」
「そうですか?私は綺麗だと思いますが…」
「俺が細かいだけなの」
出来た頃にはもう日が沈んでいて、辺りが暗くなっていた。
「ココアはそろそろ帰らなくて良いのか?」
「そうですね。帰るとします。明日実験にしますね。城付近まで来て下さい…」
「ああ、了解。帰り道気を付けてな」
こうして、いよいよ実験の朝が近付いて来た。
「おはようございます。侑…」
「はい、おはよう」
俺は眠さを抑えながら実験する場所まで歩いて行った。
「ここで良いのか?」
「はい、ここは軍事施設ですから…」
「ん?…」
今、何と言ったのか俺には理解出来なかったが、数秒経って、
「ええええええええええええええ」
「どうかしましたか?」
「ど、ど、ど、どうかしましたかじゃないよ!!ここ駄目だろ?俺入ったら」
「構いませんよ。私の許可はありますから…」
「ココア…本当に学生かよ…」
「はい、学生ですよ?」
「まぁいいや、実験始めようぜ」
「そうですね、始めましょう…」
そして、実験するところっぽい雰囲気を醸し出している場所で、ココアが銃に魔力を込めようとしていた。
「あの、侑…」
「ん?」
「この銃の名前はありますか?」
「あ~一応考えてはいるのだがちょっと中二病っぽくて」
「チュウニビョウ?」
「あっ何でもないよ」
「この銃の名前は…」
「魔銃アルファリベリオン」
俺がそう言った瞬間、数秒だけだが静かな時が流れた。
「何か言えよ(笑)」
「あっいやすみません…ちょっとかっこ良くて…」
「おーココアにも分かるか!!そうか、そうか」
「では、始めますね…」
「って聞けよ」
俺の言葉を受け流すかのように、ココアは実験を開始する。
to be continued…
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