第1章12 「言葉の重み」

夕食の最中だったが、ヴァルフレアがある事を言いだした。

「フィリア、侑君には例の話を済ませたかい?」

そう唐突に言い出すと、フィリアは暗い表情で、

「はい、しました。でも断られました」

例の話?さっきの殺して欲しいの話か、でも何故?

俺がそう思っているとヴァルフレアは俺の方を向いて、

「侑君、フィリアがどこまで言ったか分からないが、君が殺らなくても、誰かがする事になる」

「え?それって」

俺はさっきの話に流れだと、俺だから殺してって意味で捉えていた。でも違っていたのだ。

「フィリアが暴走すれば、もちろん止めれる者は居ない。だからそうするしかないのだよ」

「ちょっと待ってくれよ!親だろ?」

「親でも仕方ないんだ」

そういうとヴァルフレアは今までに見せた事のない顔をしていた。

悲しそう、悔しそう、もう今にでも泣いてしまいそうな顔だった。

もちろんフィリアはずっと下を向いたままだった。

俺に出来る事…無いのかもしれない…

「もし、フィリアを助ける方法があるとしたら」

「え?」

ヴァルフレアは俺の顔を見た。

「俺が、フィリアを助ける方法を見つけられたら、その方法に乗ってくれますか?」

ヴァルフレアは戸惑う事なく、こう答えた。

「ああ、もちろんだ」

俺はその返事を聞いてフィリアにも言った。

「フィリアは助かる方法があれば、どうする?」

フィリアは表情を変えないまま、

「私は…どうすればいいんでしょうか…」

俺は我慢出来なかった。

「俺は今、どうしたいのか聞いているんだよ!!」

「!?」

フィリアが顔を上げ、俺が強く言った事に驚いている様子だった。

「俺は、他人がどうこう思うだろうとか、フィリアには考えて欲しくない!!フィリアの選んだ選択が欲しいんだ!!」

珍しくらしく、らしくない言葉を言った俺は言い終わった後に恥ずかしくなったが、でも引きやしなかった。

俺は勢いで気付くのが遅かったが、その言葉を聞いてなのか、いつの間にかフィリアは泣いていた。

そして、俺の顔を見ながらこう叫んだ。

「私は!!!!本当は怖いんです!!!!」

そして、静かにこう言いだした。

「でも、私は姫です。だから…」

「そんなの関係ないよ」

「あります」

「フィリアは1人しか居ないじゃん?」

「同じ様な人ならたくさんいます」

「だからフィリアは1人しかだな…」

「侑は頑固ですね」

「どっちが頭、固いんだよ」

いつの間にか言い合いになっていた俺とフィリアを見て、ヴァルフレアは笑っていた。

「いや、侑君はどこまでも面白いな」

と冗談を言った後、真剣な顔で、

「なら、侑君は見つけられるんだね?」

俺はその言葉を聞いて迷わずに言った。

「何かあるはずです。ゲームにも攻略があるように、この世界でもあります」

「ゲーム?」

「あっいや忘れて下さい!!とにかく努力して見つけます」

「その目に嘘はないね」

「もちろん」

こうして、唐突だけどもフィリアの魔女の呪いの解除方法を探す事になった俺。

異世界物語に良くありそうな話にまさかなるとは俺も思ってもいなかったが、

こうなったからには、やるしかないと思った。

俺の物語はまだ始まったばかりだ。


「失敗したら、侑君死刑だから☆」

「!?!?」

「えええええええええええええっ!!」

「ふふふ」

「いや、フィリア笑ってる場合じゃないよ?」


to be continued…

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