第1章10 「フィリアの秘密」
「実は、フィリアは…」
「魔女の血が混ざっているのだ」
その一言は、俺の全身に衝撃が走った。
フィリアの中に魔女の血が混ざっている?そんなの俺は理解出来なかった。
「陛下、俺には理解不能な領域まで来ています」
「まぁ、そうだろうね。君にはまだ説明してないと思ったよ」
「あの子は普段から秘密にするべき事は秘密にする子だから」
そう言うと、深呼吸した後に話を続けた。
「フィリアは昔、魔女に誘拐されたのだ。その時に魔女の術でフィリアの血液に自らの血を混ぜた」
「私達もフィリアが誘拐から解放されてあの日までは気付かなかった」
「あの日・・・?」
「あの日・・・フィリアが王室で暴走した日だ。突然いくつもの大魔法を使い城のほとんどが崩壊した」
俺は話を冷静に聞けていた。何故聞けていたのか今でも分からないけど、でも何か思うとこはあったのだと思う。
「その後はどうなったのですか?」
「その後はフィリアには暴走した記憶が無かったのは気がかりな所だが、暴走はあの日の1回限りで、フィリアも健康にも異常は無かった」
「しかし、あの日を知っているものはフィリアを恐れて近付かなくなった」
「侑君もここに来る際、少し違和感がなかったかい?」
「すみません。王家の雰囲気なのかなと思っていました」
「そうなるのも無理はない。だからこの話を侑君にしたかったのだ」
「どうして俺なんですか?」
「フィリアが気に入ってたからだよ。彼女があれ程に人の話をするのを久々に見た気がしてね。それで君を読んだという事だったのだよ」
「あわよくば、将来のと思っていたのだが」
「陛下、話が早すぎます」
「だよね~はぁああああ」
落ち込むヴァルフレアを見て俺は、
「陛下、まぁ長い目で見ていて下さい」
「おお、それでは前向きに考えてくれると」
「いや、まぁ、はい」
「おおおお!!嬉しいぞ!!」
「そんな声大きく言ったら聞こえますよ」
「大丈夫だ。ここは防音だから」
何だよ防音って、本当にここ牢屋じゃないのか?と俺は思った。
こうして話を聞いた俺はヴァルフレアと一緒にフィリアの元に帰った。
「侑、あの・・・お父様がご迷惑ではなかったですか?」
戻ってくるなり、フィリアは心配して聞いてくれた。
「大丈夫だよフィリア」
「良かったです。本当に」
本当は何する部屋なんだよ。あそこは。
「陛下とも仲良くなれたしね」
そう言ってヴァルフレアの方を向くと満面な笑顔でこちらを見ていた。
「なら良いんですけど。あっ侑、この後時間ありますか?」
「ああ、良いよ。俺も話したい事がある」
こうして俺とフィリアは、王室を出てフィリアの部屋へ行った。
俺もどうしてもフィリアに聞きたい事があった。
to be continued…
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