第1章9 「バーンクロス城」

俺はフィリアの父から呼ばれてバーンクロス城にやって来てしまった。

着くなり門に居た警備兵から、

「侑様ですね!お待ちしておりました。どうぞ」

これは夢だろうか。俺は夢でも見ているのではないのかとそう感じさせるくらい現実味がなかった。

まぁ、元々ここ現実じゃないけど。

「侑、無事着いたのですね」

門の先にはフィリアが居た。いつもと違ってお嬢様って感じの服装だった。

「ほう、服装で随分と変わるんだな」

「いつものはその私自身が作ったので」

「え?あれってフィリアが作ってるか?」

「はい・・・」

俺が驚いたのはいつも来ているフィリアの服は素人が作って出来上がる服ではないから驚いていたのだ。

「いやぁ、それは凄いぞ」

「褒めて頂けて嬉しいです」

「では侑、参りましょうか」

「お、おう」

城の中はとても美しく、表現しにくいけど幻想的だった。

と言っている間に王間に着いた。

「どうぞ、侑」

「お、お邪魔します」

そこに居たのは見た目若そうで割とイケメンな人と、超美人が居た。

「ようこそ、侑君。君の話は娘に聞いたよ」

「私は、バーンクロスの王をしている、ヴァルフレア・アス・バーンクロスだ」

「お初にお目にかかります。陛下」

「そう固くならなくても良いよ」

そう言うと俺の方へ寄ってきた。

「侑君、君に是非お願いしたい事があるのだ。来てくれるかな?」

「あ、はい」

「フィリアと母さんはここに居てくれ」

フィリアの母。通りでフィリアもこうなる訳だなって納得してしまった。どこの世界にもこんな事があると。

「お父様」

「悪いようにはしないよ。大事なお客様だからね。」

そして俺はフィリアの父と一緒にある部屋に向かった。

入るとそこはまるで牢屋の様な感じだった。これはまずいのではないかと思った。

「ここはね。私の唯一の隠し部屋なんだよ。皆には内緒だよ。」

「あっはい…」

「さて侑君、君に話しておきたいことがある」

「何でしょうか?」

「君はフィリアが好きか?」

突然で唐突な質問をされたので俺の頭の中ははてなで埋まった。

「す、好きとかどうかではないですが、感謝はしています」

そう言うと

「そ、そうだよな・・・」

急に落ち込んだ。これはどういう事なのか、普通はもっと喜ぶのじゃないのかなと思った。

そう思っているとこちらを振り向いていきなり、

「フィリアをおおおおフィリアをおおおお好きになって欲しいんだああああ」

急に泣きながら言い出した。この人本当に王なのか

「あ、あの陛下?何故ですか?」

そう言うと落ち着きを取り戻し、こう話した。

「実は、フィリアは…」

が混ざっているのだ」

「え?」


俺はこの後、想像も出来ない事を聞くのである。


to be continued…

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