魚介天使


 はい、という事で、魚介の香りの元を探っていたら、居たわけなんですよラスボスが。


 

 ロープレゲームで最初の洞窟にある宝箱開けたらラスボス。くらいの唐突感。


 薬草かと思ったらラスボス。


 なんと宝箱はラスボスだった!

 

 後日パッチ。


 

 羽は無い。普通の美人ねーちゃんだ。ラスボス第一形態。

 とりあえず互いに無言でジィーっと見つめ合っていた。

 

 が、魚介の香りも放っておくわけにはいかない。



──待てよ。

 このタイミング、おかしい。

 

 寧ろ彼女が魚介の香りの元と捉えるのが自然なのではないか?

 

 俺はラーメン屋が存在する事を疑わず、何か大きな見落としをしているのではないか?

 

 魚介系の香りと極天使・・・・・・。

 極天使の香りが魚介系・・・・・・。

 

 イカの香りの天使・・・・・・! これだ!


「イカ臭い天使だよお前は」って言えるかバカヤロウ。殺されるというか、泣かれるわ。



 よし、放置だ。

 俺は彼女を見なかった事にして、香りの元をたどって歩き出した。



 うーん、この辺りっぽいかな。

 少し歩き回って、魚介ポイントの接近をひしひしと感じていた俺は周囲を見回す。

 無いか。さっき通り過ぎたビルの中とかかな? と俺は後ろを振り返る。


 はっ! と驚く女が居た。


 

 なんか付いてきてる。


 俺と極天使はまたじーっと見つめ合うと、彼女はたどたどしく俺から目を逸らして小さく口笛を吹いて誤魔化している。


 いや遅いよ。


 しかし、このままでは彼女と魚介の関連性を否定できない。

 俺は早急にラーメン屋を突き止める必要がある。

 


 よし放置だ。

 俺は彼女を見なかった事にしてまた歩き出した。


 空色が夕焼けに染まり、街灯も照り始めた頃、細い裏道に看板を見つけた。


『魚介マグナム』


 

 あれだわ。あれ過ぎる。

 俺はヤレヤレ、と足を向けた。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る