鬼恋硝子の業結び

星 霄華

序章

 これが因果なのだよ、と彼は眷属に言った。


 土に植えられた種が、水や光を得て花を咲かせるように。私たちが出会い、経てきた出来事の結果が今この時間なのだよ。

 そしてこの時間から生まれた何かが、また別の出会いや出来事を生む。咲いた花から種が実り、土に植わってまた花を咲かせるように。この時間も、いずれはお前たちに何かをもたらすだろう。

 因は果となり縁となり、果は別の因となる。それが因果というもの、因縁というもの。


 だから、と彼は言った。


 きっともう遠くはない、私が天寿を全うする日まで。私に死という果が訪れるまで。どうかそばにいておくれ――――――――

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