第7話

#ぼくと青


逃げたそうとした僕を

弁解する事しか考えてなかった僕を

あっさりと、許してしてしまった

まだ、僕の知らない青を

もう、あきらめない

そして、絶対に絶対に壊したくない



青の羽みたいな柔らかい耳を

柔らかい髪を

汗と涙で湿った匂いを胸一杯に吸い込んで

深呼吸する、何度も何度も


本当は、もっと喜ばせることを

いいたいのだけれど

ちょっとふくれた青が

僕の首筋に噛みついて

初めはビックリ箱みたいな青に驚いて

おかしくて、

でも、これは、青の痛みだ

僕が傷つけた、青の痛みだから

その、痛みさえ愛しくて

絶対に忘れちゃだめだ

そう、思わずにはいられなくて

また、子供みたいに

泣きだしちゃった青をあやしながら

やっぱり、ちゃんと、受け止めようと

もう、二度と傷つけないって


唯一、素直に喜ばせることができる言葉

僕の本当の気持ち

もっと、ちゃんと伝えたいのだけれど

コロコロとかわる表情と

くるくると変化する青に

すでに、酔っぱらってしまった僕は

なかなか、言葉にできない。

もう、限界寸前で、ふれることさえ

ためらわれるのに

青は軽々とその限界を超えてしまう


好きだよ


くらくらするほど、好きだよ

言葉にしてしまったら

もう、とまらないよ、


これ以上ないくらい

優しく触れる

宝物のように

壊れやすいおもちゃのように

でも、触れるたびに

頭が痺れて、ますます、僕は

青で一杯になる

僕が必死でこらえてるものを

青が欲しがる


まだ、ちりちりとした痛みの残る

首筋に手を当てる

僕をまっすぐにみつめる瞳にとらわれたように

片方の手のひらを頬に伸ばす

軽く開いた唇にそっと、親指を差し込むと

青の歯をなぞる。

そのまま、奥に指をさしいれると

青が舌を絡めてくる。しばらく

その感触をたしかめながら

その、せつない表情をみつめる。

濡れた指でそのまま、首筋に線をかいて

覆い被さるようにして

濡れた首筋に舌を這わせたまま

胸元のボタンをひとつ外す。

青が少し戸惑ったように

僕の名前を囁く


ここじゃ、青が困る


青の首筋に軽く歯をたてる

観念したように青が体を緩める

あと、ふたつ、ボタンを外すと

白いレースの下着がみえた。

さすがに、手をあてて

四っ目のボタンを隠してしまう

それでもかまわない

シャツを大きく開いて

白い胸元に唇を這わせる。

下着の上から

そっと、青の胸を手のひらでつつむ

ちらりと表情を伺うと

青は固く目をつぶったまま

必死になにかを堪えるように

唇を噛み締めている。


力をぬいて


青の胸を優しくなでながら

そっと口づける

青の舌の強ばりがとれるまで

青の舌をなぞり、包み込んで

優しく絡ませる


下着の内側からゆっくり手のひらを

差し込むと指先が、

青の固く尖った先端に触れた。

ピクリと青の体が反応して

青の口から甘い吐息がこぼれる。

熱い息がぼくを痺れさせる。


でも、ぼくのしるしを残すのは

ここじゃない。

外側からふっくらとした胸を

すくい上げるようにして

少し血管の浮いた青白い肌に

何度かキスをする。

青の体がぶるっと震える。

丸みを帯びた曲線に

大切な部分には触れないよう

僕は少し力をこめて吸い付いた。

しばらく、そのまま柔らかな

肉の感触を楽しんで、

少し名残惜しかったけど

そっと唇を離すと、

白い肌には不釣り合いな

赤黒いアザのような跡がくっきりと

残っていた。


指先で触れると湿った青の肌は

ピンと張りつめて僕の指を押し戻す

ぼくのしるしを

円を描くようになでさすりながら

もう片方の肩からゆっくりと

肩紐をおろす。僕の手のひらに

吸い付くような張りのある滑らかな肌

露になった青の

もう片方のさきっぽに、そっと舌で触れる。

徐々に固くなる小さなあめ玉を、

転がすように

ゆっくりと、口に含むと

青が僕の肩をきつく握りしめ

頭をのせて、小さくもれた息をつめる。

青の反応を楽しみながら

ゆっくりと、そして

たっぷりと、舌を絡ませる。

軽く歯をたてると

小さな悲鳴のような声を噛み殺す


青がこのしるしを見るたび

僕を思い出すんだね


うつ向いて震える青を

下から持ち上げるように口づけて

奥へ奥へと舌を差し込んでいく

このまま、全部、食べてしまいたい

押さえつけて僕のものにしたい。

ほんの少し唇が離れると、震えながら

息ができないと、苦しそうに

つぶやいた。


ごめん、と言いそうになって

きつく抱きしめながら

お互いの鼻先が触れる距離で

しっかりと、みつめたまま

青が、好きだ

と、何度も何度も囁いた。


とろけそうに、潤んだ瞳

湿ったまつげの上で

ちょっと、困ったようにハの字に

歪んだ眉毛が、整った青のかおを

余計にかわいく見せる。

何か言いかけては

恥ずかしそうにつぐんでしまう

形の整ったうすい唇

ほんのり、赤く染まった頬

細い首筋に浮き上がる青の血管


ひとつひとつ、優しく

繰り返し触れながら

確認するように心に焼き付ける

どれだけみとれていたんだろう


そんなに、みつめたら恥ずかしいよ


ぽつりと呟いて長いまつげを

ふせてしまう。

軽く、小さな顎を持ち上げて

そっと、唇を重ねる

もう、何度も味わったはずなのに

触れた瞬間、痺れるような感覚が全身に走る

もう、青もなんの抵抗もなく

僕を受けいれる

痺れるような感覚は

何度も僕のなかで熱い固まりにかわり

高ぶる気持ちはどんどんと

大きくなっていく

柔らかな唇を、舌を、もてあそびながら

何度も何度も愛の言葉を囁いて

押さえつけた物を少しづつ吐き出していく

それが、逆効果だとはわかっていても

青にもっと触りたい、確かめたい

青の全てを味わいたい

誤魔化すように、青の唇を

むさぼることに夢中になった

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