17

1


(句)


つきを割る 名は伝わりし 冬の鶴


闇のしじまを 破る一声



(読み方)


つきをわる なはつたわりし ふゆのつる


やみのしじまを やぶるひとこえ






2


大丈夫 だいじょうぶだよ 自らに


そうでなくとも 言う義務を課す




だいじょうぶ だいじょうぶだよ みずからに


そうでなくとも いうぎむをかす






3


花愛でる なおも宴は 続けども


靴底鳴らし 去る夕べかな



はなめでる なおもうたげは つづけども


くつぞこならし さるゆうべかな






4


甘みある 日々は刻々 過ぎ去るを


指でより分け 人と味わう



あまみある ひびはこくこく すぎさるを


ゆびでよりわけ ひととあじわう







5


老いてふと うす青さある 哀しみを


どこかに下ろし 眺めてみたく



おいてふと うすあおさある かなしみを 


どこかにおろし ながみてみたく




6


伊吹山 吹き下ろす風 幸よあれ


かすみ散らすも 常春の村



いぶきやま ふきおろすかぜ さちよあれ


かすみちらすも とこはるのむら






7


我がインコ みどり小みどり 深みどり


芝山ごとく 胸張り威張る



わがいんこ みどりこみどり ふかみどり


しばやまごとく むねはりいばる





8


夏草も 号令一下 靡くかな


風一陣に さんさんの音



なつくさも ごうれいいっか なびくかな


かぜいちじんに さんさんのおと


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