第八話 仲間
良太との仲を修復するには良太から見た聖二のイメージを変えるとこからだった。
とは言ってもどう変えればいいのか、とりあえずもう一回話しかけてみる。
「良太君、一緒にサッカーしない?楽しいよ!」
やっぱりうつ向く。
「良太君、一緒に帰ろう!」
この時は良太はちょっと嬉しそうな表情を浮かべていた。
ちょっとだけど、聖二のイメージが変わりつつあった。
そんなときに聖二にとって衝撃的な出来事が起きた。
授業も終わり、あとは掃除をして帰るだけというときになにやら良太と他の仲間が良太を連れてどっか行ってしまった。掃除しなきゃいけないのにどこいくねん。と思いながら跡をつける。
そこで聖二が見た光景は聖二にとって衝撃的なものだった。
良太が他の仲間にいじめられている。腹をパンチされたり、集団リンチされたりと、これは助けなければ!聖二は声を張り上げながら言う。
「やめろよ!良太が何したんだよ!」
止めに入ったが逆にやられてしまう。
「うるせぇ!」
殴られた。初めてだった、ほっぺたがジンジンする。
とりあえず、聖二も集団で殴られる。必死に耐えた。気がすんだのか、最後に一発腹を蹴られ帰っていった。
聖二は良太のもとに駆け寄る。
「良太!大丈夫か?立てる?」
良太も答える。
「大丈夫。あ、あのさ、なんで助けてくれたの?」
「なんでって、殴られるのわかってて助けない人はいなしょ?それに良太は俺の友達だから。」
この時初めて良太は仲間の存在に気づいた。自分は一人じゃない、今までいじめる側にいたのがいじめられる側になってしまった。本当は信頼できる仲間がほしかった。だけど、周りには自分に近づく奴はいない。
孤独だった。だけど今は違う。
良太は仲間の大切さを本当の意味で学ぶことができた。それと同時に良太と聖二の仲も修復することができた。
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