第五話 驚愕

某児童相談所に行くことになった聖二は自分はどうなっているのか、自分はどうなるのか、知るよしもなかった。

相談所の役員らしき人に部屋を案内され、通された部屋はなんのへんてつもない部屋だった。全部で3項目の簡単な問題を解くというものだったが、この時の聖二には本当に難しく解くのに5分を要するぐらいだった。

最初の1項目は、絵の順番を入れ換える問題。

これは凄く簡単だった。全部で5個あったが全問正解。2項目は、迷路を鉛筆で辿ってゴールする問題。これはちょっと難しかった。中々ゴールできなく、行ったり来たりを繰り返してやっとの思いでゴール。

最後の3項目は、穴の空いた積み木を紐に通して同じ物をつくる問題。実に簡単だと思ったが、相談員が作ったものを覚えたら隠し、同じ物をつくるというものだった。全部で6個だが、合ってたのが6個中3個しか合ってなかった。残りの3個は順番が逆だったり、違うものが入っていたりと中々の難問だった。

全部の問題が終わり、結果が出るまで少し時間がかかるらしい。

気長に待った。相談員が駆け寄りまた違う部屋に案内される。

そこで相談員から一言、「聖二君の今の知能をグラフで表したものなんですが、見てください、あと1足りないんですが、知的障害に入ります。」

知的障害?なんだそれは。要するに脳に問題があるとのこと。

小学校入学の時に落ち着きがなかったのはこれのせいらしい。

結果を知り、その帰りは母は一言もしゃべらなかった。翌日、母が担任の先生に事情を説明した。そのあとものすごい早さで次の日には聖二の為に学校で支援学級を作ってくれた。

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