不死身のふぇに子 があらわれた!
第17話 不死身なフェニックス母さんはロリ巨乳
「ご無事でしたか母上!」
「ご無事じゃないからっ! これの、どこをどうみたらご無事に見えるワケ?」
「ご無事なようで、よかった……」
「ハッくん? 話きいてるかな? ……フェニ子、ほんと死ぬところだったんだから。車で家に帰ろうとしていたら、いきなり橋が爆発して……」
母上はオレのことを《ハッくん》と呼ぶ。……この呼び名は、いいかげんやめて欲しい。そして自分のことを《フェニ子》と名前で言うのも地味にやめて欲しい。でも……なんど抗議しても改まらない。
「いや、お怪我はありませんか? いつもどおり、ないでしょうけど……どうせ」
「どうせ……て! その言い方……すごく、ひっかかるなぁ……」
「でもないですよね? 怪我」
「……まぁ、怪我はないけどさ……。なんだろう!? 怪我がないのが、こんなにも悔しいなんて……」
母上が纏っているゴスロリ服は、ボロッボロになっている。尋常ではない破れ方だ。ふつうは着ていた服がここまでダメージを負っていたら、身体はただではすまないだろう。でも母上はピンピンしている様子。
「そうだ、母上! 他には車や通行者なんかは……橋の上にいなかったでしょうか?」
「他には誰もいなかったけど……」
「よしっ!」ガッツポーズを決めるオレ。「ほんとうに母上でよかった。母上だけで。母上だけじゃなかったら、とりかえしのつかない、被害がでるところでした……ほんとうによかった」
「……ハッくんとは、いちどしっかり、話し合う必要がありそうね……」
湿度を帯びた視線をむけてくる母上。オレはそれをスルーする。
「あの……ハクト? この人は?」
横に来たグリーンが尋ねてくる。そのままぺこりと母上にむけてお辞儀をした。
「あ、グリーンか。この人は
昨今流行のキラキラネームというやつだった……。
もちろん本名だ。
名前の読みもフェニックスと、そのキラキラっぷりには容赦が無い。
「………………!?」
グリーンの表情が固まる。
「この人はオレの母親だ!」
聞こえなかったのかもしれないので、強く言い切ってみた。
「……ハクト?」
「……なんだよ」
「……ちょっとごめん、こっち来て」
グリーンがオレを引っ張った。すこし離れた場所に移動する。母上に遠慮してのことだろう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「(……説明して。あの女の子が、ハクトのお母さんって本当? どうみても……)」
ごく小声で話しかけてくるグリーン。オレもそれに声量を合わせる。
「(どうみても? 言いたいことは、なんとなくわかるが……。つづけてくれ)」
むりも無い。母上の外見は幼い少女そのものだった。すくなくとも、オレより年下にしかみえない。初めてオレの母親と告げられた人間は、みんな驚く。
「(妹さんじゃなくて? どうみてもあたしやハクトより年下だよね?)」
「(妹は別にいる。あれは母親だ)」
「(あ、もしかして、お父さんの再婚相手とか……)」
「(れっきとした血を分けたオレの実の母だ)」
「(でも、え……? いや……。彼女……どうみても十二~三歳ぐらいにしか……)」
「(それでもオレの母なんです! この件について、これいじょう話すことはないからな。以上)」
「(以上て、ちょ……)」
納得がいかない様子のグリーン。
「(だって、それいじょう説明のしようがない。母は母だ。それともなにか、外見が幼いとダメなんですか? 立派にオレら兄妹を育ててくれている母上にケチでもつけるんすか? 母親というのは年相応の外見じゃないとダメなんですか? 二位じゃダメなんですか?)」
「(……最期のはよくわからないけど。どうみても、幼いというレベルの話じゃないんだけど……。うーん……わかった。これについてはもう聞かない。――けど)」
「(――けど? まだ何か?)」
「(……彼女。ハクトのお母さん。あたしの必殺技をくらっ……いえ、不慮の事故に巻き込まれたはずだけど……なんで無事なの……?)」
サラッと自分の罪をスルーして、不慮の事故で済まそうとするグリーン。普通の人間だったら確実に死んでたと思うんだけど……。まぁ、いい。
「(母上は不死身なんだ)」
「(……説明がざっくりしすぎていて、理解できないんだけど)」
「(理解しなくてもいい。オレもよく解らん。そういうものなんだから仕方がないだろ。母上は不死身なんだよ! オレが小さい頃から、母上はありとあらゆる事故や災難に巻き込まれているんだが、怪我ひとつしないんだよ。だから不死身って言い切っちゃうからな!)」
「(そういうものって、言い切られても……)」
「(グリーン。
「(急になによ……。
あ、リアルにいるんだ
「(よく、名は体を表すと言うじゃないか。
「(はは――って、そこ……笑っていいところなのかな? 迷うんだけど……)」
「(真面目な話をすると、オレの前にハクを身体に棲まわせてたのは母上だから、その副作用かもしれないと勝手に思っている。不死身なのも、外見が幼いまま止まっているのも……)」
「(ぜったい、それしかないよね。原因)」
「(そんなわけで、ちょっと……というか、だいぶ変わっているけど、いい人だよ母上)」
「(いい人って言われると、これ以上話をつづけられないんだけど……)」
「(だから話ここで終わろう。と、いうか終わらせてください)」オレは懇願の視線をグリーンにおくる。
「(わかった。そっか……。あたしも母様のことは好きだから、ハクトのその気持ち、よく解るよ。……そういえばさ、あのね……)」
「(まだあるのかグリーン。なんだよ?)」
「(ハクトのお母さん。さっきから、あの……胸が、はだけているけど……いいの?)」
腕組みをして、こちらの様子をうかがっている母上。ふたつの大きな膨らみが、組んだ腕で窮屈そうに押し抱かれているが、肌色がおもいっきり露出している。
母上は気づいていないらしい。オレもさっきは気がつかなかったけど……。生地がボロボロだから風で飛ばされたのだろうか。
「(よくないな……。グリーン。サンキューな)」オレは母上の元へ歩き出す。
「(なんだあれ……。身体は華奢で小柄なのに、胸。すごく大きい……)離れ際。グリーンの呟きがぼそっと聞こえた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「……母上。その……、おっぱいが出ています」
「え? ……あ、もう……。ハッくんの……えっち」
……そういって、片手で胸を隠す母上。その膨らみはとても大きい。片手では先端部分を包みこむのが精一杯で、隠しきれるサイズではない。そして大きいだけではなく形もいい。その張りが……って、オレにとっては、こんなラッキースケベはいらなすぎる件。
「そんなに見ちゃって……。昔をおもいだした? 男の子は、いくつになってもおっぱいが好きなんだから……」
「そんなことはありません!」
「またまたぁ。ハッくんはおっぱいが大好きだったから……また吸いたくなったんでしょ? でもダメだよ」
「やめてください!」
「顔を赤くしちゃって……あーもう、ハッくん可愛い! しょうがないなー。どうしてもっていうのなら……すこしだけなら……。いいよ、はい」
おっぱいを覆っていた片手をひらくしぐさをする母上。オレの目はそこに釘付けになる……。って、いかんいかん。
「とにかくっ、はやく胸を隠してください!」
「これが反抗期というやつなのね。フェニ子……悲しい。――っしょ」
そういって母上は、背中にまわっていた自分の大きなツインテールを身体の前に回し込む。そうすると髪で胸がきれいに隠れた。
「これでいいでいいでしょ。とりあえず」
……どういう隠し方だよ。と、おもったが「……便利ですね、ツインテール」とだけ言っておいた。
長い髪で胸を隠すなんて、少年漫画やアニメなどでの、青少年の健全に配慮している感が満載だったけど……。
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