§2 洞窟と言えば蠢くあれYES/はい

 洞窟を少し進むと、分岐点があった。

「さてどうするか」

「2人ずつに別れて別々の道に行く?」

「それは危険でしょう、主に勇者様と組んだ方が」

「それはあれか、俺がいきなり襲う害獣だとでも言いたい訳だな」

「ええ、もちろん。違うとでも言いたいんですの?」

 やはりリーンは俺に対する好感度がマイナススタートなようだ、セリカは良い娘なのに非常に残念だ。

 ノエルはまあ、勝手にデレると信じて敢えて何も言及はしない。

「そう思われても仕方無いか、まあ良いや」

「あら、認めるんですのね」

「いや?認めはしないさ、ただ今はそんなこと話してる余裕が無くなりそうだからさ」

 そう言った直後、岩陰からスライムが3匹飛び出してきた。

「さて、このくらい余裕だろうけど気は抜くなよ」

「貴方に言われるまでもなく分かっていますわ!」

「(なんかリーン無駄にトゲトゲしくない?)」

「(そうですね、きっとあれでしょうというやつなのでしょう)」

「(そうかもね、勇者様が来るまで乙女な感じでワクワクしてたしね)」

 俺はスライムを拳で叩き潰しながら、自分の予想が間違っていなかったことにニヤニヤしていた。

 よーし、じゃあ予想が的中したところでリーンをディープスキャンさせてもらおうか!


 リーン

 性別 女

 レベル 15

 体力 98 力 36

 身の守り 62 魔力 245

 賢さ 104 素早さ 92

 創造力 1085

 攻撃力78 守備力128

 スキル

 森の叡知 lv9

 四大元素の寵愛 lv7

 動物会話 lv4

 魔力感知 lv6

 装備品

 思い出の懐刀 攻撃力42

 森の民の服 守備力66

 パーソナルデータ

 年齢 180(人間換算で18歳)

 スリーサイズ B74 W54 H92

 性感帯 へそ 耳 太もも

 その他

 ツンデレ lvMAX

 敏感体質 lv3

 チョロイン lv5

 奉仕欲求 lv4


 なにこれ、第一印象と真逆過ぎるんだが……、もしかしたら本人も気付いてない本質まで見てるってことなのか……?

 とかなんとか思いつつ、サクッとスライムは倒せたわけだが。

「腕は確かなようですね」

「そりゃどーも」

「ボク達が手を出す前に終わっちゃったね」

「そうですね、やはり潜在能力は高いみたいです」

「よーし、この調子でガンガンいこうぜー」

 と、そんな感じで俺たちは洞窟の奥に進むことになった。

 この時はこの洞窟の奥に、あんな(好都合な)ヤツがいるなんて思っちゃいなかったんだ……。


 ▽▼▽


「さて、一旦ここいらで休憩しておこうぜ」

「もうへばったんですの?軟弱ですわね!」

「バーカ、女と男じゃ体力違うだろ?ノエル見てみろ、それにお前も強がるな」

「バカですって!?もう貴方なんて知りませんわ!」

 そう言うと、一人で勝手に奥に向かって進み始めた。

「はあ……全く、2人はここで待っててくれ」

「わかったー」「わかりました」

 俺は、一人勝手に突っ走ったリーンを止めるために、彼女を追いかけた。

 しばらく歩くと、奥から突然

「いやぁぁぁぁぁぁ」

 という、リーンの悲鳴が聞こえてきた。

「バカヤローが……こういう洞窟の奥はアレって決まってんだろ!」

 俺は助けなくては、という気持ちとが見てみたい、と言う気持ちで一目散に走り始めた。


 そして、奥に辿り着くとやはりと言うべきか洞窟×エルフと言えばのような光景が広がっていた。

「これぞ……まさしく触手プレイ…!」

 そう、所謂ローパーと言われる魔物の触手がリーンの体中を這い回っていた。

 触手からは恐らく、媚薬的作用がある粘液でも分泌されているのだろう、リーンの顔には苦悶の中にも若干の恍惚が見てとれる。

 本来なら、カメラを具現化でもさせたいところだが、そんなことをしてはリーンが可哀想だ、締め付けられているだろうから体力も消耗してるはずだ。

「待ってろリーン、すぐ助けるからな!」

「ムグッ、ムグゥムググゥ」

 貴方の手は借りませんとでも言いたげだが、そんなことに構ってる暇はない、ここは一つあの触手野郎をディープスキャンしてやろう。


 マッドローパー

 レベル20

 体力 240 力 86

 身の守り 98魔力 56

 賢さ 32 素早さ74

 想像力0

 スキル

 媚薬触手 lv8

 叩き付け lv6

 溶解液 lv7


 弱点 水(お湯でも可)、切断


 ふむ、なるほどリーンの服が若干溶けていたのは溶解液のスキルのせいか。

 これは、アレだなリーンから媚薬とか洗い流すためにぬるま湯でもぶっかけるか。

「リーンちょっと熱いかも知れんが我慢してくれ」

 そう言うと俺は、温泉のお湯を想像して大体42℃くらいのお湯を、マッドローパーの上からぶっかけた。

「グゲァ!!」

 と奇声を吐いて、マッドローパーはリーンを放り投げた。

 俺は、放り投げられたリーンの真下にスライディングで滑り込んだ。

「大丈夫か?」

「これで大丈夫だとお思いですの?」

「悪いな、俺がもうちょい早く来れればこんなことにならなかったのに」

 俺はそう言いながら、リーンに上着を創造してやった。

「ほら、これでも着とけ」

 俺が作ったのは、元いた世界ではトレンチコートと言われるような形状の上着だった。

「あ、ありがとうございます……」

「んじゃ、アイツブッ倒してくるわ」

 俺は、近くの石にリーンを座らせてマッドローパーに向き直るとなるべく鋭い切れ味の剣を創造した。───後で知ったことだが、俺がこの時創造した剣は、アーサー王物語に出てくるエクスカリバーだったらしい。

 そして、俺は助走をつけ飛びあがり頭から真っ二つにした。

 なんとも呆気ないことだ、俺の想像力が豊かなせいだろうけど。

 パッパラパッパッパー

 もしや、レベルが上がったのか?


 タケミヤ シンヤ

 性別 男

 レベル 8

 体力 198 力 96

 身の守り 114 魔力 105

 賢さ 124 素早さ 189

 創造力 100035

 攻撃力 195 守備力 181

 スキル

 ジゴロ lv30(シークレットデータの為他者には見えない)

 ハーレム lv80

 魔導の極致 lv1

 世界改訂 lv3

 神器創造 lvMAX

 ディープスキャン lvEX(シークレットデータの為他者には見えない)

 装備品

 鋼鉄の拳 攻撃力99

 鉄の軽鎧 防御力 67

 女運の腕輪 女性との遭遇率UP


 ……ん?あれ?創造力完ストじゃないの?明らかに増えてるよ?まだこれ以上伸び代有るとかスゲー世界だな。

 まあ、取り敢えずそらへんは後に回すとして、リーンを連れて2人の元に帰らないとな。

「ほら、2人のところに戻るぞ?」

 俺はそう言って、リーンに手を差し伸べた。

 すると、リーンは少し戸惑った様な素振りを見せた後、俺の手を取ると思いもよらない行動に出た。

 俺の手を強く引き寄せ、キスをしてきた。

 そしてそのまま抱き締められること数分、ようやく解放された俺は、恐らく顔が真っ赤だったことだろう。

「突然なんだよ……」

「これは、その……そう、お礼です!それ以上でもそれ以下でもありませんからね!」

 あ、これ完全に落ちてるじゃん……。

「そ、そうかほら、行くぞ」

「……えぇ」

 その後、少しぎこちないながらも2人のところに手を繋ぎながら戻った、2人に色々疑われたのは言うまでもない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

英雄の側には女が付き物って本当ですか? はい/YES 霞羅(しあら) @xest1852

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ