§1 肩慣らしに洞窟へ向かうYES/NO

 颯爽と降り立った俺の前には、タイプの全く違う美少女が三人いた。

 一人目は金髪ロングでエルフ耳、胸は残念だけどそんなことはどうでも良くなるような美貌を持った女の子。

 二人目は、青髪で肩にかかるくらいの長さの髪型で、ボーイッシュな顔立ちに不釣り合いなワガママボディ、そして猫耳の生えた獣人の女の子。

 そして、三人目はピンクの髪をサイドテールにして、背中に天使のような羽を生やした、美乳の女の子……っていうか、どこからどう見てもノエルだ。

 なるほど……

「……ノエルも俺の攻略対象だったか」

「心の声を口に出さないでください」

 俺の呟くような声を聞き取ったノエルが、どこから出したのかわからはないが、ハリセンで後頭部にフルスイングをかましてきた。

「いってーなー、つかそのハリセンも想像力の賜物か?」

「そうですね、そこにあると思えば存在する、そんな世界ですから」

「なるほどなー、それでそっちのお二人さんは?」

 俺がおいてけぼりを食らってる、女の子二人を指し示すと、ノエルはジト目で説明し始めた。

「彼女たちは、私と同じであなたをサポートするために派遣された、ナビゲーターです。金髪の彼女は、エルフのリーン、青髪の彼女がケットシーのセリカです」

「よろしくお願いします」

「ヨロシクねー」

「なるほど、これは……そういう傾向の女子二人ってことだな!」

「どう考えたのかが甚だ疑問ですが、理解してもらえたなら幸いです」

 やはりジト目のノエルはさておいて、ここで俺の三人に対する考察を披露しておこうと思う。

 ・リーンの考察

 まずは、あのエルフ耳のリーンちゃんだ。

 一見すると、おしとやかなお嬢様タイプに見える……が、恐らくあの手の娘は超弩級のツンデレ娘だろう。

 なにせ、エルフだ。

 エルフと言えば、誇り高い種族と相場が決まっている。

 つまり、認めた相手の前ではデレデレだろうが認めていない相手に対しては、ツンドラレベルの凍てつく台詞や、視線が待っているに違いない!

 まあ、俺にとってはご褒美以外の何者でも無いぜ!

 ・セリカの考察

 言動はボーイッシュだが、胴体の方に目を移すとボン、キュッ、ボンッ!って感じで、グラビアアイドルなんかに負けないレベルのグラマラスなワガママボディだ!

 その言動とミスマッチな体は俺を何度もどぎまぎさせることだろう……全く、無邪気っ娘は最高だぜ!

 ・ノエルの考察

 さあ、最後にノエルだ。

 元の世界で出会った時は手のひらに乗るんじゃないか、そう言うレベルでミニマムサイズだったから気付かなかった…が、そのスラッとした体つき、そしてセリカに比べると幾分控えめだが、しっかりと自己主張するその胸は、この世の至宝なんじゃないかと思うレベルで整っていて美しい……。

 俺の語彙では表現しきれないのが口惜しいが、三人の中でいくと断トツで、ノエルが俺の好きなタイプなのは確かだ。

 ……なぜ最初に出会った女が、タイプなのだろう。

 ご都合主義ってやつだろうか、だったらご都合主義万歳!」

「途中から声に出すのはやめてください」

 その言葉と共に、再び俺の後頭部にハリセンがクリーンヒットした。

「痛ってぇ!つか、どっからだ、どっから声に出てた!?」

「最初に出会った女が……の辺りからだねー」

 セリカがアハハーと笑いながら、俺の質問に答えた。

 後半の割りと聞かれたくない所を聞かれたらしい、流石に俺もやらかした感に苛まれた。

 というか、そこら辺が聞こえてたから心なしかハリセンを握るノエルの顔が、赤くなっているんだろうか。

「……ところでノエル、本当にこの失礼な殿方があなたの言っていた逸材なんですか?」

 リーンが呆れたような声で、ノエルに言葉を投げ掛けた。

「ええ、間違いなくこの人です、ステータスを見てもらえばわかります」

「ステータス見られるのかよ!?」

「見られますよ?目の前に自分のパラメーターが有るように念じれば良いんです、まあ個人情報なんかは見られませんが」

「ふむ、やってみるか」

 俺は、自分のステータスを見ようと念じてみた。すると、某有名RPGのようなステータス画面が見えた。


 タケミヤ シンヤ

 性別 男

 レベル 1

 体力 88 力 69

 身の守り 78 魔力 72

 賢さ 89 素早さ 100

 創造力 99999

 攻撃力 168 守備力 145

 スキル

 ジゴロ lv30(シークレットデータの為他者には見えない)

 ハーレム lv80

 魔導の極致 lv1

 世界改訂 lv3

 神器創造 lvMAX

 ディープスキャン lvEX(シークレットデータの為他者には見えない)

 装備品

 鋼鉄の拳 攻撃力99

 鉄の軽鎧 防御力 67

 女運の腕輪 女性との遭遇率UP


 おかしい、なんだこの創造力完ストってあと、なんだ女運の腕輪って、俺のための装備だろこれ。

 他にも色々とあるけどディープスキャン……詳しい内容見れないのか……?

 そう思った直後、ディープスキャンの項目が光り、詳細説明が現れた。


 ディープスキャンlvEX

 他者の情報を詳細に調べることができる。

 普段のステータス画面で見られないような個人情報を網羅可能。


 コイツぁ使える能力だ、そうだなまず試しにノエルに使ってみるか。

 俺は未だに俺のステータスとにらめっこしているのであろう、三人のほうに視線をやりノエルにディープスキャンを使用した。


 ノエル

 性別 女

 レベル 15

 体力 115 力 48

 身の守り 58 魔力 128

 賢さ 94 素早さ 86

 創造力 850

 攻撃力80 守備力158

 スキル

 天の加護 lv8

 シューティングレイ lv5

 ヒール lv5

 天翼飛行 lvMAX

 装備品

 皮の鞭 攻撃力32

 天使の制服守備力100

 パーソナルデータ

 年齢 17

 スリーサイズ B86 W56 H89

 性感帯 首筋 脇

 その他

 世話焼き lv5

 Mっ気 lv3

 クーデレ lvMAX

 隷属願望 lv1


 ……これ色々と良くないな、これのせいでノエルを見る目が変わっちまったぜ……。

 他の二人も見たいところだが不審な目で見られてる、これはいかんな。

「なあ、ずっと同じとこにいても仕方ないからどっか肩慣らしでも出来るとこ行こうぜ」

「それでしたら、ここから少し行ったところに洞窟があるのでそこに行ってみましょう」

 リーンの提案で洞窟に向かうことになった。

 はてさてどんな魔物がいるのやら。


 ▼▽▼


 リーンの提案でやって来た洞窟は、そこそこの広さがありそうな、じめっとしていない普通の洞窟だった。

「ここはどういう所なんだ?」

「簡単に言えば初心者用の腕試しの洞窟かなー、最初のダンジョンみたいな感じだよー」

「ふむ、あれかドラ〇エでいうとスライムやら気持ち悪い唇のナメクジやらがうじゃうじゃいるところか」

「そうそうそんな感じー」

「んじゃ、サクッと終わらせるか」

 そう言って、俺は3人を連れて意気揚々と奥へ進みだした……。

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