第2話 涼に飢える
やっと学校が終わった。
僕は部活に入っていないので普段すぐさま家に帰る。今日もそのとおり、家に帰るため支度をしていた。友人らはみんな部活にいく。このクラスで帰宅部は僕ともう1人しかいない、といってもクラスの人数が少ないのだが。
下駄箱へ向かうと、外から熱風が吹き込んでくる。そしてそれが僕の体から体力と水分を根こそぎ奪っていた。
「暑いところ嫌だぁぁぁ!」
僕は気づけば急いで走っていた。しかし、いつも向かう家の方向ではない。僕は本能的なのか、涼しい場所へと向かっていた。
僕の知る一番涼しいところ、それは山奥の滝の前である。山へ入ってからそこまでの道も木々がトンネルのようになり、とても涼しい。そしてなにより、目に映るすべてのものが美しい。あの場所にいる時の幸福感や満足感、開放感は言葉に表せるようなレベルではない、と僕はおもう。
道中走りながら、農作業をするおばあちゃんや綺麗なキジや落ちているナスを見ていた。
自分が何を考えているのだかわからないほど暑い。もう目の前に木々のトンネルは見えている。なのに
「やっと、こ、、」
なんでだろう、足が動かない、目の前がチカチカする、頭が痛い、声も出ない
そのまま僕は倒れ込み、意識を失った
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