夏空と雪原の紅
ゆきみ
第1話 夏休み直前の朝
「暑い...なんでこんな日に...」
入道雲が綺麗な青空、青々とした田圃、魚が涼しそうに泳ぐ小川、そんな自然の中の道を学校へとやけくそになりつつ走っているのが僕、村木 雅である。
なぜこんなに急いでいるんだ、と脳内で自分に問うが、すぐさま脳内の自分は「お前が寝坊したのが悪いんだ」と正論を言い返す。
もういっそ家に帰ってやりたかった。しかし、夏休み前最後の学校に遅れるわけにも行かない。
そんな脳内での口論が続いていた時、聞き慣れた元気な声が聞こえてきた。
「雅~!!!」
僕の親友、三宮 蓮だ。いつもは一緒に学校に行っているが、流石に今日は遅いからもう先に行ってしまったと思っていた。なのに待っててくれる、なんて優しいんだ。
「雅、急がないと遅れんぞ?」
「あぁ、ごめん、寝坊しちゃって...」
「いや、そんなこと気にすんなよ!」
この猛暑の中、雅はさわやかな笑顔を見せた。僕は到底そんな余裕はない。僕はすぐさま
「学校、いこうか」
と言った。そして僕らは顔を見合わせて頷き、学校へと急いで向かった。
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