恋してなくても恋人って呼ぶの?
それからの毎日は平凡な恋人同士そのものだった。
わたしは異動で勤務地が変わっていたので同じ職場でオフィスラブ的なドキドキ要素もなかったし、彼の一人暮らしのアパートが通勤途中にあったので朝寄っていちゃついてから出勤し、仕事帰りにまた寄っていちゃつくの繰り返しで毎日よくあきないなってくらい体を重ねていた。
休みの日はラブホに行きまくっていたしね。
でもそれはわたしの理想のカップルではなかった。
ここまで読んでくださった方はすでにお気づきだと思いますがTが好きなのはわたしではなく、Kだったからだ。
今となってはどうやってそれを知ったのか思い出せないけれど、多分わたしのほうから「Kが好きなんじゃないの?」って聞いたような気がする。
わたしたちの関係は営業所の人には秘密で、度々一緒にでかけていたKにまで秘密にしていたのを不審に思ったのかもしれない。
わたしとKはわたしが異動になってからいつの間にか疎遠になっていたけれど、KとTは二人で遊びにいっているらしかった。
「Kが好きなんじゃないの?」に対してTの答えは
「でも振られたし」
2人で遊びに行くのをやめてほしいと頼んでも「振られたんだから、ただの友達」を繰り返し、結局はこそこそ遊んでいたらしい。
今思うとどうしてわたしの口からKに「Tと付き合ってるから二人では会わないで」って言わなかったんだろう?
理解のある年上の女って思われたかったのかな。
そんな余裕なかったくせに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます