焦ったシンデレラ(魔法?)

23歳でわたしは男性と世間話すら出来ませんでした。

もちろん、付き合ったこともなければHもキスもデートも経験なし。

23歳でこれはかなり焦ります。

まわりは彼氏がいる子がほとんどで、デートすらしたことないって子は皆無。

わたしは中学生の時から将来の夢はお嫁さんっていうくらい、専業主婦にあこがれていたので毎日が憂鬱で不安で絶望的でした。

そこで思い立ったのがダイエットです。(当然です)


とにかく食べないダイエットをしました。

一日何も食べないこともよくありました。ジムとかも行きましたが。

その時は精神的に少し病んでたんじゃないかなと思います。

「このままじゃ一生処女だ」「わたしを愛してくれる人は死ぬまで現れない」そう思い込んで、最高一か月に9キロ痩せました。

結果4~5か月で30キロ痩せましたね。それでも70キロ以上ありましたけど。


30キロもやせると世界が違ってくるものです。

まず、洋服屋さんの対応があきらかに違いましたね。

もちろん、笑顔で「いらっしゃいませ」は以前から言われていましたけど「どうせつきそいでしょ」みたいな雰囲気がなんとなく漂っていたんです。

痩せてからは(70キロはあるけど)「ご試着できますよ」とか「こちら、ただいま人気なんですよ」とか声をかけられるようになりました。おんなじ店でですよ。


すれ違う男性も今まではわたしが見えていないように無関心でしたが、ちょっと痩せてくると見てくるんですよね、胸を。

これはわたしだけじゃなくて一緒に歩いていた母も「今すれ違った人、あんたの胸見てたよね」なんて言い出したので勘違いじゃないと思います。

普通のお嬢さんなら「やだぁ、気持ち悪い」なんでしょうがわたしはなんだかうれしかった。

わたしを恋愛対象、というか性的対象に見てくれる人がいるんだ! 

それはわたしが「一生処女」ではないかもしれないという希望に変わりました。


職場でも「痩せたね~」なんて声をかけてくれるドライバーさんが現れました。

後輩Kも「銀河さん、彼氏! 彼氏作りましょう!」ってなんだか楽しそうになってくるのでした。




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