この世界を守るために今日も俺は戦う

第39話 それから俺は……。

 俺は久保明緒。

 高校にいた頃一時期は成績も悪かったんだけど、女の子にいいかっこしたくて頑張ってたらいつのまにか卒業の頃はトップだったぞ。

 あれから三年。

 卒業後、俺は進学せず就職した。

「アルバイト先で食品ロスの多さに愕然としまして、御社でそれを有効に生かせるビジネスをしたいと思います」

てのが気に入られたのか、ともかく食品ロスを飼料にしたりする会社で働いている。

 

 この仕事に就いたのは、もちろんバイト先のこともあるけれど、最後の戦いの時から、「ゴミ」といわれるモノに対し俺も何かしたいと思ったからだ。

 また祟り神が出ないために戦わなきゃ。だって俺ライダーと約束したんだ。

 あれから神器は光らないけど。

 こういう戦い方だってあっていい、そうだよな、ハオ?

         

                 ☆


 あの祟り神のことは、あれだけ大騒ぎしたにも関わらず、それに便乗した映画会社が映画にしたために

「大掛かりなどっきりか宣伝」

として扱われた、まぁなんにせよ死人や負傷者の出なかったのは何よりだ、俺も別に、この平凡な暮らしに満足してるし。


 あれからみんなそれぞれの道を歩いてる。

 なぎさ会長は政治の勉強のため大学へ。

 ゆりちゃんは大学を出て、研究職に就いている。あんまりゲームやってる時間が無いと愚痴をよく聞かされる。

 沙織も大学へ行った。鈴木さんとなんと一緒のとこだぞ。

「明緒くんも一緒の大学行かないの?」

って聞かれたし、可能だったんだけど、俺は首を横に振った。

 そんなこんなで、あれからみんなとは疎遠だ。

 ハオのことだって忘れられな……いや、もっといい子がいるはずだ!

 ハオよりいい子?……いるよな、どこかに。

 それよりあそこの女子高生可愛い……なんかこっち見てない?


「あの……」

もじもじと、あれ、俺に話しかけてる?顔もなんかハオに似ている気が。

 しかし女子高生から逆ナンとはまいったなぁ。

「チャック……空いてますよ……」

うわぁ、カッコ悪い俺。

そそくさと退散し、物陰でチャックを直し、仕事へ戻る。

 あの安売りスーパーチェーンが沢山新商品を買いたたいたそうだからロスが出たら引き取る交渉をしなくては、俺は忙しいのだ。

 あれ、さっきの女の子のかな?

 雑貨屋のそんなに本格的でない鍵……落ちてるぞ。

 仕方なく俺はそれを交番に届ける。


                ☆


 仕事から戻り、実家に帰る。(だって通えるし)

 お袋が俺にこう言ってきた。

「明緒、手紙よ、神社から」

「神社から?」

それってもしかして……ハオ絡み?


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