第29話 二度目の変身
「変身!!」
祟り神に噛みつかれピンチを迎えた俺はファイズのポーズで変身(のつもり)し、神器を構えた。
ファイズの戦闘曲が神器から流れる。
俺は音楽にのって駆け出す、走り出したくなる曲だから走った、そのまま体当たり。
今度は効いた、祟り神がよろける。
よろけた祟り神を缶を持った手でバゴーン!バゴーン!とボコる。
目や耳のようなものは見えないけど、頭の側面を狙ったから、きっと感覚がおかしくなるはずだ。
「バゴーン!」
祟り神が反撃とばかりまた俺に噛みついてきた、
いなして祟り神の頭を抱える、そのままヘッドロックからの頭突き。
「バゴーン!!」
見ろ、俺の石頭を。
「バゴーン、バゴーン」
くらくらになりながら祟り神はまだやろうとがむしゃらに向かってくる。
後ろを向いた!テールアタックならまた投げ飛ばしてやる!
しかし祟り神は尻尾ではなくそのままヒップアタックをかまして来た。
「やったなぁ!」
飛ばされ、顔に擦り傷を作りながら俺は嬉しかった。
だって、今の俺なんかすげぇヒーローっぽい!
カメラで撮って欲しい!
飛ばされた俺を祟り神は見下している、幸い距離がある、よし、ここは一気に決めてやる。
音楽がファィズのOPに切り替わった。
俺はポーズを決め、ちょうどサビの所で
「ゴッド・ブレッシング!!」
神器から緑の光が溢れ、祟り神は消え去った。
☆
「もういいですよ会長」
隠れてた会長を、俺は呼びに行く
「あ、そうか今日はこれだったのか……」
なぎさ会長はなんだか独り言を言ってるけど、とりあえず無事だったみたいだ。
「て、怪我してないか?」
「あ、これ化粧よくできてるでしょ?じゃあ、お疲れ」
俺は明るく嘘をついた。
「お疲れ、……へぇ、あんな同業いたんだ」
俺は口笛を吹きながら帰った、やっぱヒーローはこうじゃなきゃ。
☆
「ねぇ、ちょっと気になるんだけど」
自室で、ハオはノートを手に考え込んでいる。
「一体目の祟り神と、今回、二人とも心の勾玉を持ってた女の子の側、それに
ゴミ貯めの近くなの。気にしてて?」
「わかった、でもそれ、きっとお約束みたいなもんだから」
気楽に行こうよ、と俺、今思えば、こういうのなんかのフラグでしたー!!
なんてゲームでも特撮でもよくあるってこと知っとくべきだったよな。
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