第26話 強くなるために

 と、いうことで俺の持ってる『心の勾玉』会長となぎさ会長からもらった二つになった。

 心の勾玉は全部で三つ、もう一つはハオに決まってる、根拠はない。

 ゲームショップの由利ちゃんも気になるけど、攻略できないのかな?

 

 以前お昼に撮った写真は神器じゃなく携帯で撮ったから、心の勾玉は映らない。

 俺、いつも見返してるけど、いいビジュアルなんだけどなぁ。


 しかし、こうして『心の勾玉』があるってことは……。

「なぁハオ、祟り神ってあと二匹だよな?」

「うん、下っ端はあと二体いるみたい」

「下っ端……ってことは親玉がいるのか」

大会終わりにハオと一緒に帰る、いつもの日常を守るためにこっちも真剣にならなきゃならない。

 

 以前祟り神を倒した時、ハオが泣いていた気がしたけど、祟り神が俺の日本昔話レベルの知識の存在で合っているなら。

 モノを大切にしない人間への警告なら。

 それは文明あっての現代には、あってはないモノだ。

 

 ってことで俺はかっこいい戦闘シーンの勉強の為にレンタルショップに寄って、また特撮を借りたいんだけど、何がいいかな?

 俺の時代の戦隊の話だと、ハリケンはニンニンで出て嬉しかったなぁ、って最近の話題か、これは。

 う~ん、う~ん。

 

 よしっ、ここは

「ねぇ、これ見たい」

ハオが持ってきたのはアニメコーナーの「べィマックス」と「大長編ドラえもん のび太の宇宙英雄記」

 子供かよ!

 それどっちもわりと新しいよね?

「え?戦うんでしょう?何が違うの?」

う~ん、まぁいいや。

 ちょうど安くなる券あったし。

  

                 ☆

 

 帰って俺は自室のPCでハオと一緒に借りてきたDVDを見た。

 ハオは百面相みたいにころころ表情を変えながら、面白そうに見てる、うん、よかった。

 見てて思ったけど、ライダーや戦隊みたいに銃や剣が無いのはしょうがないとして、必殺技まで色々なアクションで魅せなきゃだめだな。(誰に)


 一作見た後、ご飯の後にハオはノートに何か書いている。

 以前俺が「SNSでは俺と同姓同名の有名人がいて炎上するからプライベートなことはここに書いてて」って渡したものだ。

 ハオの夕食メモSNSもあれから続いてる。

 こないだはそれで知り合った誰かに教えてもらったとかいう美味しいレストランとかにデートする羽目になった。(高かった)

 そして日記も、まぁ俺はずっと一緒にいるんだし、見たって特に面白いものは書いてないんだろうけど。


 ハオにあと二体のことを聞くのは明日にしよう。 


 俺の日記:今日はバレーの大会で疲れました。

 なぎさ会長から心の勾玉をもらいました。

 夕ご飯はうどんミートソースに大根のおでんでした。

 

 

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